「スポーツの現場で感じた違和感を、“仕組み”で解決したい」
彼女が立教大学経営学部を志望した原点は、幼少期から続けてきたチアダンスの経験にある。全国優勝を複数回果たし、高校時代には日本代表として世界大会にも出場した。一見すると恵まれた競技人生だが、その裏で彼女は、環境の差によって同じ舞台に立てない仲間がいる現実を強く意識するようになった。
「努力や才能だけでは越えられない壁がある。その壁自体をどう取り除くかを考えたいと思うようになりました」

「教える」ではなく「環境を整える」という気づき
高校時代、彼女は障害のある子どもたちにチアダンスを指導する活動に参加した。初回の練習で、動きを覚えられず泣き出してしまう子を前に、彼女は自分の無力さを痛感したという。
しかし、「どうすればこの子も舞台に立てるか」を考え、動きを細かく分解し、拍手でリズムを取りながら練習方法を工夫した。その結果、その子は本番で最後まで笑顔で演技をやり遂げ、会場から大きな拍手を浴びた。
この経験から彼女は、
「指導とは教えることではなく、一人ひとりに合った環境を設計すること」
であり、それはまさにマネジメントそのものだと実感した。
仮説が崩れたアンケート調査
現場で感じた課題を感覚だけで終わらせたくないと考えた彼女は、280人以上を対象にスポーツ参加に関するアンケート調査を実施した。仮説は「最大の障壁は経済的負担」であったが、質問設計を工夫し、指導者不足や施設環境といった要因も含めて分析した。
結果は、経済的負担に加え、指導者や施設といった資源の偏在が深刻であることを示していた。
「自分の仮説が間違っていたからこそ、問題の本質に近づけたと感じています」
調査結果を学校や教育委員会に報告した際、「データがあるから議論ができる」と評価された経験は、彼女にとって大きな転機となった。経営学が重視するエビデンスに基づく意思決定を、体験として理解した瞬間だった。
なぜ立教大学経営学部なのか
彼女はスポーツ参加機会の格差を、
- 収益構造の脆弱性
- 組織マネジメントの未整備
- 社会的価値の発信不足
という三つの経営課題として整理している。
企業・行政・NPOと連携し、実践的に課題解決に取り組む立教大学経営学部のBLP(Business Leadership Program)は、彼女の問題意識と強く重なった。また、有馬ゼミ(マーケティング)でスポーツの社会的価値をどう伝え、共感と投資を生み出すかを研究したいと考えている。
合格につながった理由
彼女が受験を通して最も意識したのは、「経験のすごさ」ではなく、
「そこから何を考え、どう社会課題として捉え直したか」
を言語化することだった。
全国優勝や世界大会出場といった実績も、すべて「仕組みの重要性」に気づくための過程として位置づけたことで、志望理由書全体に一貫性が生まれたという。
これからの目標
彼女は、立教大学経営学部で学ぶ経営学を、スポーツを「公共性」と「持続可能性」を兼ね備えた分野として発展させるために活かしていきたいと考えている。
「誰もが環境に左右されず挑戦できる社会を、現場とデータの両方を知る立場から実現したい」
スポーツの現場で芽生えた違和感を、経営学の力で社会の仕組みに変えていく。その挑戦は、すでに始まっている。
