これだけ推薦入試が広がっている今、チャンスを逃してしまうのが怖い――
そう感じたのが、私が総合型選抜の準備を始めたきっかけでした。
正直、それまでの私は「大学受験といえば一般入試」というイメージを強く持っていて、推薦入試は一部の限られた人だけが受けるものだと思っていました。けれど、情報を集めるうちに、総合型選抜は「自分らしさ」や「これまでの経験」をもとに評価してもらえるチャンスであること、そしてその枠が年々広がっていることを知りました。
一方で、私は体力にそれほど自信があるタイプではなく、一般入試一本に全てをかける“長期戦”には強い不安を感じていました。だからこそ、推薦入試というもうひとつの道に、可能性を見出したのです。
とはいえ、推薦と一般、両方の対策を並行して行うのは簡単なことではありませんでした。学校の成績を維持しながら、志望理由書や活動報告書を作り、さらに面接やプレゼンの練習を重ねる日々。もちろん、一般入試に向けた学力の底上げも怠ることはできません。
そんな中で私が意識したのは、「すべてを完璧にやろうとしないこと」でした。そのかわりに、どの時期に何を優先すべきか、どのくらいのペースで進めれば無理がないかといった“戦略”を立てて動くことを大切にしました。自分一人では難しかったことも、先生や塾の方々と相談しながら冷静に計画を立て、実行していくことで、少しずつ道が開けていきました。
結果として、私は総合型選抜で上智大学に合格し、さらに一般入試でも立教大学に合格することができました。どちらの入試にも真剣に向き合ったからこそ得られた、ダブル合格という結果でした。
あのとき、「推薦と一般、どちらか一方ではなく両方をやってみよう」と思い切れたからこそ、今の自分があります。受験には“自分に合った勝ち方”がある。そう実感しています。
これから受験に挑む皆さんにも、自分に合った道を見つけて、柔軟に挑戦してほしいです。そして、もし推薦入試という選択肢が少しでも気になるなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。その先に、自分でも思いもよらなかった未来が待っているかもしれません。