「メイクをして何が悪いの?」肌荒れのコンプレックスから始まった、男子高校生の“同調圧力”への挑戦。武蔵大学社会学部に合格!


「男性のメイク」は最近増えてきましたが、まだ偏見の目で見られることもあります。 阿部くんは、自身の肌荒れというコンプレックスを隠すために日常的にメイクをしていました。しかし、そこで待っていたのは、周囲からの冷ややかな視線や心ない言葉でした 。


「すっぴんだと誰も見ないのに、メイクをすると浮いてしまう」 この強烈な実体験を、単なる「個人の悩み」で終わらせず、「日本社会の同調圧力」という社会学的な研究テーマへと昇華させた阿部くん。 彼がいかにして、孤独な体験を武器に変え、合格を勝ち取ったのかを紹介します!


「自分を守るためのメイク」が、攻撃の対象に

阿部くんがメイクを始めたきっかけは、ファッションではありませんでした。学童期から悩んでいた酷い肌荒れ。そのコンプレックスを隠すための、いわば「自分を守る術」だったのです 。


しかし、メイクをして学校へ行くと、周囲の反応は残酷でした。「男なのに」「変わってる」。時には誹謗中傷を受けることもありました 。 一方で、すっぴんで街を歩くと、それまで感じていた視線が嘘のように消える。


「なぜ、少し周りと違うだけで、こんなにも“浮く”んだろう?」


彼は気づきます。これは自分の見た目の問題ではなく、日本社会に根付く「同調圧力(周りに合わせなきゃいけない空気)」と「ジェンダー・ステレオタイプ(男はこうあるべき)」のせいではないか、と 。

「生きづらさ」の正体を突き止めるフィールドワーク

「自分が浮いてしまう理由」を解明するために、阿部くんは行動を開始しました。彼のフィールドワークは、非常に多角的です。


スクールカウンセラーへの取材: 「相談に来る生徒の過半数が、周りと違うことに違和感を持ち、馴染めないことが原因だ」という話を聞き出し、学校という閉鎖空間での同調圧力の強さをデータとして裏付けました 。


アライ(支援者)の弁護士に直撃: 性的マイノリティを支援する弁護士にインタビューし、同性婚などの法整備の遅れや、イベント開催時の工夫(当事者以外も参加できる空気作り)を学びました 。


移民学生が多い学校へ訪問: 見た目や文化が異なる生徒たちがどう共生しているのか、学長や生徒と直接意見交換を行いました 。


メイクという個人的な入り口から、「マイノリティ」「多文化共生」「法制度」へと視点を広げ、日本社会の課題を浮き彫りにしていきました。


 武蔵大学で「同調圧力」を解剖する

彼が選んだのは、「ゼミの武蔵」と呼ばれるほど対話を重視する武蔵大学社会学部。


志望理由書では、ジェンダー論の山㟢哲哉教授や、文化人類学の内藤暁子教授の名前を挙げ、「社会学×文化人類学」の視点から日本の「当たり前」を問い直したいと訴えました 。 特にユニークだったのは、「同調圧力には『礼儀正しさ』を生むメリットもある」と認めた点です 。 「完全に無くすのではなく、個性を潰す悪い面だけを減らしたい」。この冷静で建設的な視点が、単なる不満の主張とは一線を画し、教授陣に高く評価されました。


「僕は浮いているんじゃない。社会を観察しているんだ」

孤独な“異物”であることを、最高の「研究材料」に変えた勝利

阿部くんの合格が教えてくれるのは、「『みんなと違う』という孤独は、社会を分析する最強のレンズになる」ということです。


彼は、学校の中で「浮いてしまう」自分を嘆くだけで終わりませんでした。 「なんで僕は浮くの?」「そもそも『普通』って誰が決めたの?」 その疑問を解き明かすために、カウンセラーにデータを聞きに行き、弁護士に法の不備を問い、海外ルーツの学校へ足を運びました。 彼にとってメイクは、ただのコンプレックス隠しではなく、日本社会の「同調圧力」をあぶり出すための「実験」に変わっていたのです。



「周りに合わせなきゃ」と苦しんでいるあなたへ。 その苦しみこそが、他の誰にも持てない「独自の視点」です。 阿部くんのように、その孤独を武器に変えて、堂々と自分の道を切り拓いてください!