中澤さんは、もともと数学や理科を得意とする典型的な理系タイプ。英語は「最低限こなせればいい」というスタンスで、どこか他人事のように捉えていました。

幼少期から英語に親しんできたわけではなく、英検®に関しても、受験の1年前になるまでは「まだ大丈夫だろう」と、それほど焦りを感じてはいませんでした。周囲が少しずつ対策を始める中でも、持ち前のマイペースさで、平穏な学生生活を送っていました。

しかし、いざ受験を1年後に控えた時、中澤さんは現実を突きつけられます。目指す目標に対して、現在の英語力が圧倒的に足りない。「なんとかなる」と思っていた英検®準1級の過去問を開くと、そこには見たこともない難解な単語の羅列と、論理的な記述を求められるライティングが立ちはだかっていました。

「このままでは間に合わない……」。焦りだけが募りますが、何をどう進めればいいのか出口が見えません。理系脳で効率を求める彼にとって、ゴールの見えない英語学習は苦痛以外の何物でもありませんでした。

そんな彼が選んだのは、あえて自分を追い込む道でした。スマホは禁止、遊びも制限されるというストイックな「寮生活」の中での猛勉強です。

そこで、コーチとともに中澤さんの特性に合わせた「がっつりとした学習計画」を立てました。闇雲に単語帳を眺めるのではなく、3ヶ月という短期間で準1級を攻略するために、配点の高い「語彙」と「ライティング」にリソースを全集中させる戦略的なメソッド。中澤さんの苦手や生活スケジュールに合わせた計画に沿って学習進めることによって、一気に実力がついていきました。

覚悟を決めた中澤さんの毎日は一変しました。誘惑を断ち切った環境で、毎日3時間の集中トレーニング。最初は苦戦した単語も、計画に沿って反復することで「知識の点と点」がつながり始めます。

特に力を入れたライティングでは、論理構成を型に落とし込むことで、苦手だった英語が「パズルを解くような感覚」に変わっていきました。日に日に解ける問題が増え、暗闇の中を歩いていた感覚が、確かな手応えへと変わっていったのです。

死闘の3ヶ月を経て迎えた合格発表。画面に映し出された「合格」の二文字は、ただの資格取得以上の意味を持っていました。英語が苦手だった理系男子が、一切の遊びを捨てて掴み取った栄冠。

「やればできる」――。この自信は、これからの大学受験、そしてその先の人生において、どんな困難も突破できる大きな武器になるはずです。かつては英語を避けていた彼はいま、新しい世界を見据えています。