東北大学は2027年4月、全学部が参画する特別教育プログラム「Gateway College(ゲートウェイカレッジ)」を開設します。学部を決めずに入学し、英語で文理横断の学びを経てから専門を選ぶ、東北大学として初めての仕組みです。
本記事では、2027年度Ⅰ期(4月入学)の募集要項を中心に、出願条件、筆記試験、配点、日程を整理し、Ⅱ期(10月入学)との違い、入試の特徴、向いている受験生像まで解説します。
※2026年10月時点の東北大学公式情報(募集要項、FAQ、Gateway College公式サイト)をもとに作成しています。入学後の専門決定フローなど、大学が「予定」として公表している事項は、要項の確定事項と分けて記載しています。出願前には必ず公式要項をご確認ください。
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Gateway College入試の全体像(結論から)
- 位置づけ:学部ではなく、東北大学の全学部が参画する特別教育プログラム。入学時に学部は決めない
- 入試方式:総合型選抜。大学入学共通テストは課さない
- Ⅰ期(2027年4月入学):文系17名・理系71名=計88名。主に日本国内の高校生向け
- Ⅱ期(2027年10月入学):Humanities & Social Sciences 17名・STEM 73名=計90名。主に海外・国際教育背景の受験生向け。全て英語・オンライン
- Ⅰ期とⅡ期の両方に同年度で出願することはできない
- Ⅰ期の出願要件:調査書の学習成績概評A段階(5段階評価で4.3以上)、合格した場合は必ず入学すること
- Ⅰ期の選考:第1次は全員が筆記試験(400点)、第2次は筆記400点+面接200点=600点
- 英語資格:Ⅰ期は必須ではないが、CEFR B2以上(英検準1級、TOEFL iBT 72、IELTS 5.5相当)が望ましい
- Ⅰ期の日程:出願10月13日〜16日正午、筆記11月7日、面接11月28日、合格発表12月4日
- 2027年度が初年度のため、過去問・合格最低点・倍率は存在しない
Gateway Collegeとは何か
学部ではなく「特別教育プログラム」
Gateway Collegeは学部ではありません。東北大学の全学部が参画するプログラムで、入学時点では所属学部を決めず、1〜2年次に文理横断で幅広く学び、3年次以降に専門分野を決めていきます。授業は一部科目を除き原則英語です。
卒業時の学位は「Gateway College学士」ではなく、最終的に決定した専門分野に応じた学士(文学)、学士(理学)などが授与されます。履歴書上は所属学部卒+Gateway College修了という扱いになります。
入学後の専門決定の流れ(大学公表の予定)
学年 | 内容 |
|---|---|
1年次 | 文理横断で幅広く学ぶ |
2年次 | 希望する専門を見据えて履修 |
3年次4月 | Path(系)を決定。人文社会科学系はこの時点で学部も決定予定 |
4年次4月 | 理系は最終的な学部・学科を決定予定 |
予定されているPathと人数目安は、人文社会科学系 約35名、地球・環境系 約10名、数理・物理系 約90名、化学系 約20名、生命化学系 約25名です(2026年6月時点の大学公表「予定」)。
文系・理系は「入試区分」であり「進路固定」ではない
Ⅰ期は文系17名・理系71名で募集しますが、大学は「入試区分による自動的な分野決定は行わない」と公表しています。文系で受験したから文系分野に固定される、という制度ではありません。
ただし、希望する学部に必ず進めるわけでもありません。大学は学生の希望を重視する方針を示しつつ、希望が集中した場合は目安人数に最大20%程度を加算して調整する場合があるとしています。
また、医学部保健学科と薬学部薬学科(6年制)はGateway Collegeから選択できません。医学部医学科・歯学部も通常の進路先ではなく、入学後の成績・履修状況・選考により若干名の異動を認める場合がある、という位置づけです。「Gatewayから医学科へ」というルートとして考えるものではありません。
1年次は国際混住寮、4月組と10月組は合流する
4月入学者は最初の半年で英語イマージョン教育を重点的に受け、10月から10月入学者(主に海外からの学生)と国際共修を始める設計です。1年次は原則として国際混住型の学生寮で生活します。東北大学は、約180名の学生について日本人と留学生を概ね1対1にする構想を示しています。
カリキュラムには、各専門分野を知るオムニバス授業、研究機会(プレラボ)、フィールドワーク、PBL、最先端研究者による授業、ラボトレーニングなどが盛り込まれています。「何を研究したいか分からないから学部を決めない」のではなく、「実際の研究に触れてから専門を決める」設計です。
Ⅰ期(4月入学)の出願条件
条件 | 内容 |
|---|---|
高校卒業資格 | 高校卒業・卒業見込み、12年の学校教育課程修了等、募集要項所定の資格 |
日本の高校等の成績 | 調査書の学習成績概評A段階(5段階評価で4.3以上) |
海外高校等 | 募集要項所定の学歴・資格要件を満たすこと。原則として学年上位40%以上 |
入学意思 | Gateway Collegeでの勉学を強く志望し、合格した場合には必ず入学すること |
英語資格 | 出願必須ではない |
英語力の目安 | CEFR B2以上が望ましい |
評定4.3以上という要件と「合格した場合は必ず入学」という要件があるため、Ⅰ期は実質的に専願型です。
英語資格の目安(Ⅰ期)
資格 | 大学が示す目安 |
|---|---|
英検 | 準1級以上 |
TOEFL iBT | 72以上 |
IELTS | 5.5以上 |
GTEC CBT | 1,190以上 |
Ⅰ期では英語資格は必須の出願要件ではありません。ただし、筆記試験に英文読解があり、入学後の授業も原則英語です。保有する資格・検定成績は出願書類として提出できます。
Ⅰ期の選考方法と配点
選考 | 内容 | 配点 |
|---|---|---|
第1次選考 | 全志願者に筆記試験 | 400点 |
第2次選考 | 第1次筆記の得点+面接 | 600点(筆記400点+面接200点) |
第1次の筆記400点は、そのまま最終選考にも使われます。出願書類の評価は面接点に加えられます。面接の一部を英語で行う場合があります。
大学は「一般選抜と同等以上の学力水準を求める」と明記しており、「活動実績がすごければ学力が多少低くても受かる総合型」とは性格が異なります。
文系の筆記試験(合計210分)
試験 | 時間 | 評価内容 |
|---|---|---|
筆記① | 60分 | 数理的思考力 |
筆記② | 60分 | 英文読解力 |
筆記③ | 90分 | 論理的思考力・独創性・表現力 |
文系でも「数理的思考力」が独立した筆記試験として課されます。
理系の筆記試験(合計290分)
試験 | 時間 | 評価内容 |
|---|---|---|
筆記① | 80分 | 数理的思考力 |
筆記② | 120分 | 自然科学分野の基礎的理解+論理的思考力 |
筆記③ | 90分 | 英文読解力 |
理系でも90分の英文読解試験が課されます。理系だから英語が軽い、という入試ではありません。
面接で評価されること
文系では、コミュニケーション能力、独創性、Gateway Collegeで学ぶ意欲、グローバル課題への関心、倫理観など。理系も同様に、学ぶ意欲や論理的思考力を含めて評価されます。
Ⅰ期の出願書類
書類 | 内容 |
|---|---|
志願理由書 | 志願理由、勉学したい学問分野、希望進路、これまで熱中したこと等を関連づけて記述 |
活動報告書 | 重要度の高い活動を最大5件記載 |
調査書 | 高校の成績・活動等 |
志願者評価書 | 高校側からの学業・能力・性格・行動等の評価 |
英語資格・検定成績 | 保有している場合に提出可能 |
活動実績の証明資料 | 表彰状、新聞記事、論文、資格証明等を添付可能 |
活動報告書の対象として大学が例示しているのは、総合的な探究の時間・課題研究、部活動・大会実績、生徒会、研究活動、コンテスト・競技会、懸賞論文、留学、ボランティア、資格取得などです。グループ活動の場合は、本人が果たした役割を明確に記載する必要があります。
志願理由書は「志願理由だけ」を書く形式ではなく、学びたい学問、希望する進路、これまで熱中してきたことを関連づけて記述します。
出願はTAO上の手続だけでは完了せず、募集要項所定の書類を郵送し、期限までに大学へ到着する必要があります。
Ⅰ期の入試日程(2027年度)
日程 | 内容 |
|---|---|
2026年10月13日〜10月16日正午 | 出願受付 |
2026年11月7日 | 第1次選考・筆記試験 |
2026年11月20日 17:00 | 第1次合格発表 |
2026年11月28日 | 第2次選考・面接 |
2026年12月4日 17:00 | 最終合格発表 |
2026年12月11日〜12月17日 | 入学手続 |
2027年4月 | 入学 |
Ⅱ期(10月入学)との違い
Ⅱ期は主に海外からの学生・国際教育背景のある受験生向けで、入試の形式がⅠ期と大きく異なります。
Ⅰ期 | Ⅱ期 | |
|---|---|---|
入学時期 | 2027年4月 | 2027年10月 |
募集人数 | 88名(文系17・理系71) | 90名(Humanities & Social Sciences 17・STEM 73) |
主な対象 | 日本国内在住・日本の高校課程の受験生 | 海外・国際教育背景の受験生 |
第1次 | 筆記試験 | 書類審査 |
第2次 | 面接 | オンライン筆記+オンライン面接 |
試験言語 | 主に日本語、一部英語の場合あり | すべて英語 |
実施形式 | 東北大学で対面 | すべてオンライン |
英語資格 | 必須ではない・B2推奨 | 原則必須 |
出願期間 | 2026年10月13日〜16日 | 2026年12月15日〜2027年1月14日 |
最終合格発表 | 2026年12月4日 | 2027年3月24日 |
Ⅰ期とⅡ期の両方に同年度で出願することはできません。
Ⅱ期で使える試験・資格と推奨水準
SAT/Digital SAT、ACT、AP、EJU、IB、International A-Level、GCE A-Levelなどが利用できます。大学が示す推奨水準は、SAT 1400以上、ACT 31以上、IB 36/42以上、A-Level 3科目以上Aなどです。理系でEJU、AP、IB等を使う場合は、数学と理科について指定科目があります。
Ⅱ期の英語要件
Ⅱ期は英語資格が原則として出願要件です。最低ラインは、IELTS 6.0、TOEFL iBT 80、Duolingo English Test 110、Cambridge 169、英検準1級または1級でCSE 2400以上。英語で一定期間教育を受けている場合は、条件を満たせばスコア提出が免除される制度があります。
この入試の何が特徴的か
学部を決めずに東北大に入り、ギリギリまで決めない
通常は「学部を決める→受験→4年間その専門」ですが、Gateway Collegeは「文系/理系で受験→幅広く学ぶ→3年次にPath決定→理系は4年次に学部・学科決定」という逆の設計です。単なるリベラルアーツではなく、専門決定をかなり後ろに置いています。
総合型なのに学力を正面から見る
よくある総合型選抜は「書類→小論文→面接」ですが、Gateway Collegeは「評定+活動+志願理由+数理+自然科学+英文読解+論理的思考+面接」と、ほぼ全部入りの構成です。最終600点のうち筆記が400点を占めます。
文系にも数理、理系にも英語
従来の受験科目の枠ではなく、「大学で研究するための基礎能力」を文理横断で見る試験設計です。
似ている入試との比較
東大College of Design(2027年度スタート)とは、英語・国際性・学際性・従来の学部単位に縛られない点が似ていますが、東大CoDはエッセイ・書類・ビデオ課題の比重が特徴的なのに対し、Gateway Collegeは独自筆記の比重がかなり大きい点が異なります。
ICUとは、入学時に専門を絞らない、文理横断、英語、国際性という教育思想が比較しやすいです。
東北大学のAO入試は、もともと「学力+面接+書類」を見る文化が強く、Gateway Collegeは「学力をしっかり見る総合型」という点でその延長線上にも見えます。
問題傾向の見方(初年度のため予想)
過去問はありません。ただし試験名称から、知識の暗記ではなく「資料を読む→情報を整理する→論理的に考える→自分の答えを表現する」型の出題になる可能性に注目しています。特に文系③「論理的思考力・独創性・表現力」(90分)は要注目です。
どんな受験生に向いているか
初年度のため、倍率・合格最低点・合格者プロフィールは存在せず、「受かりやすい」と断定できるデータはありません。ただし要項から、相性の良い受験生像は整理できます。
- 学力も推薦対策も両方強い:「活動実績はあるが勉強が苦手」ではなく、一般入試でも戦える学力に活動が加わっているタイプ
- 英語がかなり強い:英検準1級、TOEFL、IELTSなどを持ち、英語で学ぶことに抵抗がない
- 文理横断のテーマを持っている:AI×教育、環境×経済、医療×テクノロジー、地域課題×国際関係など、一つの学部では扱いづらいテーマがある
- 高校時点で専門を決め切りたくない:大学で学びながら専門を考えたい
志望理由書については、「まだ学部を決めていないからGateway」では弱く、「複数分野を横断する必要があるからGateway」という理由が重要になると考えられます。大学が掲げる「異なる学問分野を横断して、自ら問いを立て探究する」学生像とも整合します。
初年度入試の難しさと、対策の考え方
2027年度は初年度のため、過去問、合格最低点、合格者データ、面接データ、筆記の具体的な出題形式のいずれも存在しません。一方で、「評価する能力」「選考方法」「配点」「アドミッションポリシー」は公開されています。公開情報から逆算して準備することが、初年度入試の基本です。
リザプロでは、東北大学Gateway College対策コースを開設しています。
領域 | 対策 |
|---|---|
出願戦略 | 現状分析・受験戦略設計 |
志願理由 | Gateway向け志望理由の構築 |
活動 | 最大5活動の整理・言語化 |
英語 | 英文読解・資格対策 |
文系 | 数理的思考・論理表現 |
理系 | 数理・自然科学・英文読解 |
筆記 | 初年度想定問題対策 |
面接 | 日本語+英語想定 |
まとめ
東北大学Gateway Collegeは、学部を決めずに入学し、英語で文理横断の学びを経て専門を決める、2027年4月開設の特別教育プログラムです。Ⅰ期(4月入学・88名)は、評定A段階(4.3以上)と専願が出願要件で、第1次で全員が筆記試験(400点)、第2次で面接(200点)を受けます。文系にも数理、理系にも英文読解が課され、「学力を正面から見る総合型選抜」です。
Ⅱ期(10月入学・90名)は海外・国際教育背景の受験生向けで、全て英語・オンライン、英語資格は原則必須。Ⅰ期とⅡ期の併願はできません。
初年度で過去問がない分、公開されている評価項目と配点から逆算して準備することが、この入試の対策の出発点になります。
■ 東北大学ゲートウェイカレッジ 緊急相談窓口
ここまで読んで、「Ⅰ期とⅡ期のどちらで出すべきか」「専願と決めて本当に大丈夫か」「筆記試験と面接の対策に何から手をつけるべきか」と迷った方もいると思います。
Ⅰ期の出願期間は10月13日から16日正午まで、筆記試験は11月7日です。要項が公開されてから出願まで時間はほとんどなく、迷っている時間はあまりありません。
そこで、要項を読み込んだうえで個別の状況を整理する窓口を、期間限定で開いています。高校生・保護者・学校の先生、どなたでも利用できます。

▼東大CoD 緊急相談窓口(LINE)
【学校関係者様】
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【保護者・受験生様】
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※要項の内容確認と準備の整理を目的とした窓口です。合否を保証するものではありません。
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参考:
- 東北大学 入試センター Gateway College https://admissions.tohoku.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/gateway_college/
- 2027年度 Gateway College Ⅰ期 募集要項 https://admissions.tohoku.ac.jp/ja/adcms/wp-content/uploads/2026/08/r9GwC1_Application-Guidelines.pdf
- 2027年度 Gateway College Ⅱ期 Application Guide https://admissions.tohoku.ac.jp/en/adcms/wp-content/uploads/2026/08/ApplicationGuideGWC2027Fall.pdf
- 東北大学 ゲートウェイカレッジ 公式サイト https://tu-gwc.tohoku.ac.jp/
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