総合型選抜や学校推薦型選抜に挑戦する高校生にとって、志望理由書は合否を左右する大切な書類です。とはいえ、初めて書くとなると、何から手をつければよいのか、どんな順番で何を書けばよいのか迷ってしまう人も多いはずです。

この記事では、志望理由書の書き方を高校生向けにわかりやすく解説します。書く前の準備から、基本の型、書き上げるまでのステップ、守りたいルール、やりがちなNG例、よくある質問まで詳しく紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。

内部リンク▶︎志望理由書

志望理由書を作成する前に準備すべきこと

志望理由書は、いきなり書き始めるよりも、しっかり準備をしたほうが書きやすくなります。

ここでは、志望理由書の作成前にやっておきたい3つの準備を紹介します。

  • 過去・現在・未来を軸に自己分析をする
  • 志望する大学の学部・学科についてリサーチする
  • 自分が学びたいことと大学でできることの重なりを見つける

過去・現在・未来を軸に自己分析をする

まずは、自分がこれまでどのような経験を積み、何を学び、どのような価値観を形成してきたのかを、過去・現在・未来の流れで棚卸ししてみましょう。

特に、なぜその学問に興味を持ったのか、きっかけとなった出来事を深く掘り下げて言語化しておくことが大切です。

過去の経験、今の関心、将来やりたいことを時系列で整理しておくと、志望理由書全体の軸が定まり、書く内容に一貫性が生まれます。

志望する大学の学部・学科についてリサーチする

次に、志望する大学・学部の公式サイトやパンフレット、シラバスなどを調べ、その大学ならではの特色や強みをリサーチしましょう。

なかでもアドミッション・ポリシーは丁寧に読んでおきたい資料の一つで、大学がどのような受験生を求めているのかを理解しやすくなります。

また、オープンキャンパスに参加したり志望校の先輩方にインタビューしてみたりするのもおすすめです。その大学の雰囲気や特徴を把握しやすくなります。

自分が学びたいことと大学でできることの重なりを見つける

自己分析で見えてきた自分のやりたいことや探究したいテーマ(自分軸)と、大学リサーチでわかった大学独自の強みやリソース(大学軸)を照らし合わせてみましょう。

この重なりこそが、「なぜこの大学なのか」という問いに対する根拠になります。

自分の関心と大学の特色が交わる点を具体的に言語化できると、その大学でしか通用しない、説得力のある志望理由になります。

志望理由書の書き方|基本の型をマスターしよう

志望理由書は、決まった型に沿って書くと、論理の流れが整って伝わりやすくなります。

ここでは、高校生がそのまま使える基本の型を、4つのパートに分けて紹介します。

  1. 導入・結論
  2. その大学・学部に興味を持ったきっかけ
  3. その大学を志望している理由
  4. 将来の目標や卒業後に実現したいこと

内部リンク▶︎志望理由書 例文 大学

1. 導入・結論

まずは冒頭で、志望理由の結論を端的に示します。

「私は〇〇を学び、将来△△に貢献したいため、貴学を志望します」のように、文章全体のテーマを最初に提示しておくと、読み手はこれから展開される内容を理解しやすくなります。

膨大な数の書類に目を通す大学の採点官に対して、一目で何を伝えたい文章なのかを印象付けられるため、非常に効果的です。

2. その大学・学部に興味を持ったきっかけ

次に、導入で示した志望理由の原点となる、自分自身の具体的な経験を掘り下げて書きます。

本やニュース、部活動、ボランティア活動など、関心を持つきっかけとなった出来事を具体的に描写しましょう。何を感じ、どう考えが変わったのかという内面の変化まで語ることが大切です。

エピソードに自分なりの気づきが添えられていると、ありきたりではない、あなたらしい志望理由書になります。

3. その大学を志望している理由

続いて、数ある同系統の大学のなかで、なぜその大学・その学部でなければならないのかという必然性を論理的に説明します。

大学の教育理念や独自のプログラム、研究室などが、自分のやりたい探究活動にどのように結びつくのかを示すことで、大学への深い理解と強い熱意が伝わります。

ここで具体的な授業名やゼミに触れられると、しっかり調べたうえで志望していることをアピールできるので、ぜひ意識してみてください。

4. 将来の目標や卒業後に実現したいこと

最後に、大学で得た専門的な知識やスキルを、卒業後に社会でどう活かして貢献したいのかという将来像を具体的に書きます。

このとき、職業名を挙げるだけでなく、「その仕事を通してどのような社会課題を解決したいのか」という、一歩踏み込んだ目的意識まで示せると説得力が増します。

過去のきっかけ、現在の学び、将来の目標が一本の流れでつながっているかどうかも意識しましょう。

志望理由書を書き上げるときの4つのステップ

基本の型がわかったら、実際に書いてみましょう。ここでは、志望理由書を書き上げるまでの流れを4つのステップで紹介します。

  • ステップ1. 段落ごとに書きたいことを箇条書きでまとめる
  • ステップ2. 指定文字数に合わせて文章化する
  • ステップ3. 体裁を整える
  • ステップ4. 第三者に添削してもらう

ステップ1. 段落ごとに書きたいことを箇条書きでまとめる

いきなり文章にするのではなく、まずは基本の型(導入・きっかけ・志望理由・将来像)の段落ごとに、盛り込みたいキーワードやエピソードを箇条書きで整理してみましょう。

この構成メモの段階で、各段落が論理的につながっているか、全体の一貫性もチェックしてください。

このように、骨組みをつくってから書き始めると、途中で内容がぶれにくくなるだけでなく、執筆自体もスムーズに進みます。

ステップ2. 指定文字数に合わせて文章化する

箇条書きで整理した骨組みに肉付けをしながら、指定された文字数に収まるように文章として書き起こしていきます。

最初のうちは文字数を気にせず、書きたいことをすべて書き出してみましょう。そのうえで、冗長な表現を削ったり要約したりして、指定範囲内に収めていくと完成度の高い文章に仕上がります。

まずは指定文字数の1.2倍を目指してたっぷり書き、そこから無駄を削ぎ落としていくことが内容の濃い志望理由書を作るコツです。

ステップ3. 体裁を整える

文章が完成したら、原稿用紙のルールやマナーに沿って体裁を整えます。

段落の始まりは一マス空ける、句読点や括弧も一マス使う、適切な位置で改行して段落を分ける、といった基本ルールを確認しましょう。あわせて、段落ごとの行数(文字数の配分)が偏っていないかもチェックします。

細部まで整っていると、内容だけでなく丁寧さも伝わり、印象がより良くなります。

ステップ4. 第三者に添削してもらう

最後に、学校の先生や塾の講師など、入試をよく知る第三者に添削を依頼しましょう。

自分一人では気づきにくい誤字脱字や文脈の不自然さ、論理の飛躍などを、客観的な視点から指摘してもらえます。

指摘された部分に気をつけながら何度も書き直しを重ねることで、合格レベルの志望理由書に仕上がります。

また、添削は一度きりではなく、できれば複数回依頼するのがおすすめです。1回書き上げただけで満足せず、見直しと修正に時間をかけましょう。

志望理由書の書き方に関する基本ルール

ここからは、志望理由書を書くときに守りたい基本的なルールを紹介します。提出前のチェックリストとしても活用してみてください。

  • 文末表現を統一する
  • 話し言葉は使用しない
  • 誤字脱字をなくす
  • 一人称は「私」、志望大学は「貴学」と書く
  • 指定文字数の9割以上は埋める

文末表現を統一する

文章全体のトーンをそろえるため、文末表現は「です・ます調」か「だ・である調」のどちらかに統一しましょう。

二つの表現が混ざると、読みにくく、まとまりのない印象になってしまいます。

どちらを選んでもかまいませんが、最後まで統一することが大切です。書き終えたあとに、文末を一文ずつ見直して揃っているかどうかも確認しましょう。

話し言葉は使用しない

志望理由書は公式な書類なので、日常会話で使う話し言葉や流行り言葉、若者言葉は使わないようにしましょう。

たとえば「〜みたいな」は「〜のような」、「めっちゃ」は「非常に」、「〜とか」は「〜など」、「やっぱり」は「やはり」のように、正しい書き言葉に直します。

普段の話し方のクセが出やすいところなので、書いたあとに読み返してチェックすることをおすすめします。

誤字脱字をなくす

誤字脱字や表記ミスがあると、確認を怠っている、あるいは志望度が低いと受け取られてしまうことがあります。

特に「見れる(正:見られる)」のような「ら抜き言葉」や「〜してる(正:〜している)」のような「い抜き言葉」は無意識に使いがちなので注意しましょう。

書き上げたら、時間を置いて読み返したり声に出して読んだりすると、ミスに気づきやすくなります。

一人称は「私」、志望大学は「貴学」と書く

文章中の呼称も、正しく使い分けることが大切です。

一人称は「僕」や「自分」ではなく、「私」に統一しましょう。また、志望する大学の敬称は、面接などの話し言葉では「御校(おんこう)」を使いますが、志望理由書のような書き言葉では「貴学(きがく)」と表記します。学部を指す場合は「貴学部」とすることもあります。

こうした呼称も細かく見られているので、提出前に正しく書けているか確認しておきましょう。

指定文字数の9割以上は埋める

文字数が指定されている場合は、その9割以上を埋めることが望ましいとされています。文字数が極端に少ないと、大学側から「本気で入学したいと思っていないのではないか」と受け取られてしまう可能性があるためです。

一つの目安として、指定文字数の8割を最低ラインと考えておくとよいでしょう。

ただし、文字数を埋めること自体が目的になって内容が薄くならないよう、伝えたいことを具体的に書き込んでいくことが大切です。

志望理由書の書き方のNG例

ここでは、志望理由書でやりがちな代表的なNGパターンを、改善例とあわせて紹介します。

  • 過去の思い出話で終わっている
  • どの大学でも通用する内容になっている
  • 一貫性がない


過去の思い出話で終わっている

高校時代や幼少期の体験談を長々と詳しく描写するだけで、文章が終わってしまっているパターンです。

過去の経験は、あくまで志望動機のきっかけ(全体の2〜3割程度)にとどめ、大学で何を学び、将来どう活かすのかという未来の話に多くの比重を置く構成に直しましょう。

【NG例】

私が高校時代に最も打ち込んだのは吹奏楽部の活動です。三年間、毎日朝から晩まで練習に励み、コンクールでは県大会に出場しました。仲間と協力して一つの音楽をつくり上げた経験は、私にとってかけがえのない思い出です。


【改善例】

吹奏楽部で仲間と音楽をつくり上げた経験から、私は人と人をつなぐ表現の力に関心を持ちました。貴学では音楽と社会の関わりを学べるため、卒業後は地域の文化活動を支える仕事に携わりたいと考えています。


どの大学でも通用する内容になっている

パンフレットの言葉を並べただけで、どの大学にも当てはまる抽象的な内容になっているパターンです。

大学研究を丁寧に行い、なぜその大学でなければならないのかという必然性を、自分の言葉で具体的にアピールする必要があります。

【NG例】

貴学は長い伝統があり、教育環境も充実しています。優秀な先生方のもとで幅広く学べる点に魅力を感じ、志望しました。


【改善例】

貴学部には地域社会学を専門とする〇〇教授のゼミがあり、私が探究したい「過疎地域のコミュニティ再生」というテーマを深められます。この研究環境は他大学にはなく、貴学でこそ実現できると考えています。


一貫性がない

書き出しで述べた志望のきっかけ(過去)、本文で学びたいこと(現在)、将来の目標(未来)の間に、論理的なつながりがないパターンです。

「過去→現在→未来」が矛盾なく一本の流れでつながっていることを意識して、全体を見直しましょう。

【NG例】

幼い頃から医療に関心がありました。大学では国際関係を幅広く学びたいです。将来は地元で公務員として働きたいと考えています。


【改善例】

祖父の入院をきっかけに地域医療に関心を持ちました。貴学で公衆衛生を学び、卒業後は地域の医療体制を支える行政職として、住み慣れた町で安心して暮らせる仕組みづくりに貢献したいと考えています。


志望理由書の対策をするなら塾に通うのがおすすめ!

志望理由書の対策をしっかり進めたいなら、塾に通うのも一つの方法です。塾なら、書き方の指導から何度もの添削まで、専門的なサポートを受けられます。一人で悩む時間を減らし、効率よく完成度を高められるのが大きな利点です。

なかでもリザプロは、総合型選抜・学校推薦型選抜(推薦入試)を専門とする対策塾です。志望理由書や自己推薦書、活動報告書といった出願書類の作成・添削はもちろん、小論文や面接の対策、英検などの資格取得、さらには「大学が求める人材像から逆算した課外活動」の設計まで、推薦入試に必要な準備を一貫してサポートしています。

リザプロの特徴は、完全定員制を採用し、専属コンシェルジュが合格まで二人三脚で伴走する手厚い指導体制です。「人生年表」や「ロードマップ」といった独自のツールを使いながら、過去・現在・未来に一貫性のある受験戦略を一緒に組み立てていくため、志望理由書の軸づくりの段階からつまずきにくくなります。早慶上智やGMARCHをはじめとする難関大学への合格実績も豊富で、まずは無料相談から始められます。

Aさんの志望理由書(合格例)

ここでは、実際に合格した先輩の志望理由書を紹介します。基本の型がどのように使われているかを意識しながら読んでみてください。

【合格例:慶應義塾大学文学部教育学専攻/約410字】

私は、人の成長や学びの過程に強い関心を持っており、教育という分野を通じて社会に貢献したいと考え、慶應義塾大学文学部教育学専攻を志望いたします。貴学の教育学専攻では、心理学や社会学、歴史学などの学際的視点から教育を捉えることができ、多角的に教育問題を考察する力が身につくと考えております。特に、教育における「個と集団」の関係や、学校制度の変遷と社会とのつながりといったテーマに強い関心があります。また、貴学の自ら考え、行動することを重視する教育方針は、私が目指す「主体的に教育に携わる人間」になるために適した環境だと感じています。ゼミナール制度を通じて、少人数での議論や研究活動に力を入れている点にも魅力を感じております。将来的には、教育政策や教育現場に関わる仕事に就き、子どもたちが安心して学べる環境づくりに貢献したいと考えております。そのためにも、貴学で教育に関する幅広い知識と深い洞察力を身につけていきたいと思っております。


この志望理由書は、冒頭で「教育を通じて社会に貢献したい」という結論を明確に示し、そのうえで学際的に教育を学べる点や関心のあるテーマを具体的に挙げている点が高評価ポイントです。

なぜこの大学・学部なのかという理由と、卒業後に教育政策や教育現場で貢献したいという将来像が、一本の流れでつながっている点も説得力があります。

添削の過程では、はじめは抽象的だった志望理由に、関心のあるテーマや大学独自の学びを書き加えることで、その大学でなければならない理由がより明確になりました。

リザプロでは、こうした志望理由書を専属コンシェルジュが一緒に作り上げていきます。最初の構成づくりから何度もの添削までを伴走してもらえるため、自分の志望理由書に不安がある方は、まずは無料相談で相談してみてください。

志望理由書の書き方に関するよくある質問

最後に、志望理由書の書き方についてよく寄せられる質問にお答えします。

手書きで間違えてしまった場合、修正テープを使用しても良い?

志望理由書のような公式な提出書類で修正テープや修正液を使うのは、マナー違反とされています。

手間はかかりますが、1文字でも間違えてしまったら、新しい用紙に一から書き直すのが基本です。

書き直しになることも見込んで、提出日までに余裕を持ったスケジュールで取り組んでおくと、焦らずに対応できます。

生成AIを使って志望理由書を書いても良い?

生成AIにすべてを書かせるのは避けたほうがよいでしょう。

大学側がAI検出ツールを導入している可能性があるうえ、AIが作る文章は誰にでも当てはまる抽象的なものになりがちで、あなた自身の具体的なエピソードや想いを表現することが難しいためです。

アイデアの整理や表現の参考として部分的に活用するにとどめ、内容は自分の言葉で書きましょう。

他の大学の志望理由書を使い回しても問題ない?

他の大学に出した志望理由書をそのまま使い回すのは避けましょう。

大学ごとに求める学生像やカリキュラムは大きく異なるため、使い回した文章は読み手にすぐ見抜かれてしまいます。

自己分析で整理した自分の強みやきっかけはベースにしつつ、志望理由の部分は一校ごとに、その大学のためだけの内容に書き分けることが大切です。

まとめ|志望理由書の対策は余裕を持って始めよう

志望理由書は、過去のきっかけ・現在の関心・将来の目標を一本の流れでつなぎ、なぜこの大学を志望しているのかを伝える書類です。

本記事で紹介したように、準備をしてから基本の型に沿って書き、体裁を整え、第三者に添削してもらうという流れを踏むことで、完成度を高められます。文末表現や話し言葉などの基本ルールにも気をつけながら、余裕を持ったスケジュールで取り組みましょう。

志望理由書の対策は、早めに始めるほど何度も書き直す時間を確保できます。一人で進めるのが不安な方は、リザプロの無料相談を活用してみてください。リザプロでは、総合型選抜・学校推薦型選抜を専門とする専属コンシェルジュが、自己分析から志望理由書の作成・添削までを手厚くサポートします。