法政大学の総合型選抜(自己推薦入試)を徹底解説!法学部・文学部・経営学部・人間環境学部・デザイン工学部・国際文化学部・キャリアデザイン学部・GISの各学部について、出願資格・倍率・選考方法を比較し、自分に合ったルートの選び方を解説します。実際の合格者の志望理由書サンプル(全文)と合格者インタビューも掲載。


「学部ごとに名前も内容も違いすぎて何を受ければいいかわからない…」


「自分の活動実績で出願できる学部はどこ?」


「合格者は実際にどんな志望理由書を書いて受かったの?」


法政大学の総合型選抜は、学部ごとに独自の入試方式が設定されており、評価軸も多岐にわたります。本記事では、法政大学の主要8学部(法学部・文学部・経営学部・人間環境学部・デザイン工学部・国際文化学部・キャリアデザイン学部・GIS)の総合型選抜(自己推薦入試)を網羅的に整理し、各学部の特徴・倍率・対策のポイントを解説します。


この記事の要約

法政大学の総合型選抜は学部ごとに独自の入試方式を展開

法学部・文学部・経営学部・人間環境学部・デザイン工学部の5学部を網羅的に解説

国際文化学部・キャリアデザイン学部・GISは別記事で詳細解説(誘導リンク掲載)

2025年度合格者(寺田沙矢さん / 文学部日本文学科)の志望理由書全文サンプルを掲載

合格者インタビューと「志望理由書で押し出した強み」の分析も掲載


ステップ1:法政大学 総合型選抜の全体像を把握する


法政大学は「自由と進歩」の建学精神のもと、多面的・総合的に受験生を評価する総合型選抜を多くの学部で実施しています。一般選抜とは異なり、志望理由書・小論文・面接などを通じて「なぜ法政で学びたいのか」を重視する入試です。

学部ごとに入試方式の名称・出願資格・選考方法が異なるため、まず自分の志望学部でどの方式が使えるのかを正確に把握することが対策の第一歩です。


主要学部の総合型選抜 倍率・選考方法 比較表

学部

入試名称

募集人員

倍率目安

選考方法

法学部

英語外部試験利用自己推薦入試

30名

約2〜3倍

書類+小論文+面接

文学部

自己推薦入試 / 公募推薦

10名

約3〜4倍

書類+小論文+面接

経営学部

公募推薦入試

20名

約4〜5倍

書類+面接

人間環境学部

自己推薦入試

10名

約3倍

書類+小論文+面接

デザイン工学部

自己推薦入試

20名

約2〜3倍

書類+実技/面接

国際文化学部

SA自己推薦入試

10名

約3〜4倍

書類+面接

キャリアデザイン学部

キャリア体験自己推薦入試

10名

約3倍

書類+面接

GIS(グローバル教養学部)

S方式自己推薦入学試験

10名

約2〜3倍

書類審査

※募集人員と倍率は年度により変動します。最新情報は各学部の入試要項で確認してください。


ステップ2:学部別 総合型選抜の詳細


理系学部

法政大学 人間環境学部 推薦(自己推薦入試)

人間環境学部は、政治・法律・経済・自然科学など多分野から環境問題にアプローチする文理融合型の学部です。自己推薦入試では、環境問題・社会問題への関心と、学際的な学びへの意欲が評価されます。

選考は書類審査・小論文・面接の三段階。志望理由書ではフィールドワークや探究活動の経験を、人間環境学部のカリキュラム(梶裕史教授ゼミなど)と具体的に接続することが合格の決め手となります。

法政大学 デザイン工学部 推薦(自己推薦入試)

デザイン工学部は「建築学科」「都市環境デザイン工学科」「システムデザイン学科」の3学科を擁し、自己推薦入試を実施しています。デザイン・工学への関心と、創造的な問題解決能力が評価軸です。

選考は書類審査・面接(学科により実技審査)で行われ、ポートフォリオの提出が求められる場合があります。志望理由書では作品制作・探究活動の経験を、デザイン工学部での研究計画にどう接続するかを示すことが重要です。



文系学部

法政大学 法学部 推薦(英語外部試験利用自己推薦入試)

法学部は「法律学科」「政治学科」「国際政治学科」の3学科で構成され、特に国際政治学科で英語外部試験利用自己推薦入試を実施しています。出願にはTOEFL iBT・IELTS・英検などの英語外部試験スコアが必須です。英検準1級以上・TOEFL iBT 72点以上が競争力のある目安とされています。

選考は書類審査・小論文・面接の三段階。志望理由書を英語で記述する場合もあり、英語でのアカデミックライティング力が問われます。「アジア国際政治コース」「グローバル・ガバナンスコース」のどちらで何を学びたいかを具体的に示すことが合格の鍵です。


法政大学 文学部 推薦(自己推薦入試 / 公募推薦)

文学部は哲学科・日本文学科・英文学科・史学科・地理学科・心理学科の6学科を擁し、自己推薦入試を実施しています。特定の学問分野への深い探究心と、高校時代の主体的な学習活動が評価軸となります。

選考は書類審査・小論文・面接で行われ、志望理由書では「なぜその学科でなければならないか」を具体的な原体験から論理的に語る力が問われます。研究したいテーマ・志望ゼミ・教授の名前まで踏み込んで記述することが、合格者に共通する特徴です。


法政大学 経営学部 推薦(公募推薦入試)

経営学部は「経営学科」「経営戦略学科」「市場経営学科」の3学科で構成され、公募推薦入試を実施しています。ビジネスや経営への明確な問題意識と、それを学問的に探究する意欲が評価されます。

出願には評定平均などの基準があり、書類審査と面接で選考されます。自分の体験から「なぜ経営学を学びたいのか」「卒業後にどう活かしたいのか」を一貫したストーリーで語ることが重要です。


法政大学 国際文化学部 推薦(SA自己推薦入試)

国際文化学部のSA自己推薦入試は、2年次に全員が参加するStudy Abroad(SA)プログラムへの強い関心と、留学先の言語・文化への学習歴を評価する入試です。志望理由書では「SA希望先について興味を抱いたきっかけと学習歴(約800字)」と「入学後の学修計画(約600字)」の2設問に回答します。


詳細な対策ステップ・志望理由書サンプル・合格者の声は、別記事「 」をご覧ください。


法政大学 キャリアデザイン学部 推薦(キャリア体験自己推薦入試)

キャリアデザイン学部のキャリア体験自己推薦入試は、高校時代の「キャリア体験」を通じた学びを大学での学修に接続する入試です。部活動・ボランティア・地域活動・留学など幅広い経験が対象となります。


詳細な対策ステップ・志望理由書サンプル・合格者の声は、別記事「 」をご覧ください。


法政大学 GIS(グローバル教養学部)推薦(S方式自己推薦入学試験)

GISのS方式自己推薦入学試験は、書類審査のみで選考が行われる入試です。ほぼ全ての授業が英語で行われるGISの特性上、TOEFL iBT 80点以上・IELTS 6.5以上が事実上の出願ラインです。志望理由書も英語で提出します。


詳細な対策ステップ・志望理由書サンプル・合格者の声は、別記事「 」をご覧ください。



ステップ3:合格するための対策の進め方

高校1〜2年生:基盤を固める

英語外部試験のスコア確保と評定平均の維持が最優先です。法学部やGISを志望する場合は高校2年までにTOEFL iBT 80点以上または英検準1級の取得を目指してください。同時に、自分の問題意識を深める活動(読書・探究学習・フィールドワーク・留学など)に取り組みましょう。


高校3年生 春〜夏:志望理由書の作成

「過去の体験(Past)→ 現在の問い(Present)→ 未来の計画(Future)」の流れで一貫性を持って志望理由を構築します。法政大学のカリキュラム・教授・ゼミなど、具体的な学修計画を盛り込むことが合格者に共通する特徴です。出願は9月〜10月に集中するため、夏休み中に書類を完成させることが理想です。


高校3年生 秋:選考対策

小論文が課される学部では、時事問題や学問領域に関するテーマについて論述する力が問われます。面接審査では志望理由書の一文一文を口頭で説明できるよう準備してください。



2025年度合格者 志望理由書サンプル(全文)


法政大学 文学部 日本文学科 自己推薦入試

個人情報に関わる箇所は【非公開】として掲載しています。


私は、多くの人が抱える課題に適した本を発信し、皆が自身を尊重して生きていける社会にするという目標を持っている。そのために、貴学で無頼派と現代の生きづらさの課題を繋げて研究し、文学を通して社会の課題を読み解く力を養いたい。


この目標を持ったきっかけは無頼派文学とカナダ留学にある。私は、幼い頃から読書が好きで今まで様々な系統の本を読んできたが、特に無頼派に興味を持った。初めて『人間失格』を読んだ際、悲観的な作風に興味を惹かれ太宰治を調べたところ無頼派を知った。その後、無頼派の「弱さが人の本質だ」という考え方に魅せられ、坂口安吾の『堕落論』を読んだ。彼の「堕落とは人の本質であり、正しく堕落することで救いの道が開かれる」という考えに強く衝撃を受けた。一般的に堕落とは良くないものとされているが、彼は救いの道として捉えていたからだ。私は人と異なる視点から物事を見る事が多く、それが自分の欠点だと思っていた。それにより、周りから孤立することを恐れ自分の意見や考えを言えず周りに合わせる事も多々あった。しかし、彼の考えを「欠点があってもそれを認めどのように活かすかが大切だ」と解釈してから自分の考えや価値観を尊重し、はっきり自分の意見を言うようになった。また、高校二年生の春、カナダに短期留学に行く機会があった。カナダは移民国家のため様々な宗教や人種の人が多く、多様な価値観の人に会うことも多かった。日本では、大勢いる考えや価値観が普通とされているが、海外では人と違うことは強さとされている。私は『堕落論』と留学により自分を尊重できるようになった。この経験から無頼派文学は、「生きづらさ」と向き合わせてくれる文学ではないかと考える。


一方で、現代の日本ではまだ人と違うことは異様な事というような風潮があるため、自己を尊重して生きることが難しい状況にある。そのため、今の日本に生きづらさを感じているが、変われない人も多くいるのではないだろうか。そのように感じる要因として「自己肯定感の低さ」や「失敗を恐れる完璧主義な性格」があげられる。また、人と違うことでいじめを受けたり、トラウマとなる出来事の経験が自己肯定感の低さに繋がると考える。加えて、日本の若者の一番の死因は自殺である。生きづらさやいじめなどが多くの若者を自殺にまで追い込んでいるのではないか。将来は出版社で編集者という立場から堕落論が当時の人々の生きる支えになったように、生きづらさを感じる人たちへ無頼派文学を発信したい。そして、現代の人たちが自己を尊重して生きていける社会にしたい。


私は、社会を否定するのではなく、人の弱さや多様な価値観を受け止められるようになりたい。そのうえで、他者の痛みや生きづらさを言葉で照らすことのできる編集者を志す。そのために、二年次には文学コースで【教授名非公開】に戦後文学を学ぶ中で無頼派文学を中心に研究したい。特に、彼らが戦後という混乱期に人間の弱さや堕落を肯定的に描いた背景を、社会史や思想と照らし合わせて分析することで、作品が時代の価値観や生きづらさにどのように応答していたかを探求する。また、貴学の野外調査が多いという特徴を活かして無頼派の文豪の生家や作品ゆかりの地を訪れる事で作品に息づく時代性を現場から体感し、時代背景などの学びも深めていく。そして、現地調査で得た知見を元に作品が与える「生き方への示唆」を現代社会に重ねて考察し、現代の生きづらさの問題と接続させたうえで、編集者として時代の課題に応答する作品を発信するための視野を広げたい。


現代の日本人は自分を守るために偽り、我慢をして生きる人が多い。しかし、それは本当に自分を大切にしているとは言えない。私は、多くの人が抱える課題に合う作品を発信し、現代に生きる人が自身を尊重することのできる社会に貢献したい。


合格者の声


合格者インタビュー(寺田沙矢さん / 2025年度 法政大学文学部日本文学科 合格)一部抜粋・割愛

https://rizapuro.co.jp/interview/ce2j8xw5xj



寺田さんは幼い頃から読書が好きで、怪奇文学や探偵小説など幅広いジャンルに親しんできました。人生を変えたのは、高校時代に出会った太宰治『人間失格』。そこから無頼派文学に傾倒し、坂口安吾『堕落論』の「正しく堕落することで救いの道が開かれる」という思想に強い衝撃を受けます。「自分の欠点を認めて活かす」という解釈に至った彼女は、それまで周囲に合わせて自分の意見を言えなかった姿勢を変え、自分の価値観を尊重できるようになりました。

もう一つの転機は、リザプロの講師陣とともに参加したカナダ短期留学です。移民国家カナダで「人と違うこと」が強さとされる価値観に触れ、『堕落論』で読んだ思想が現実社会に「生きている」ことを実感しました。さらに彼女の志を深く根づかせたのは、中学3年時に病気で1年間車椅子生活を余儀なくされた経験でした。その時に直面した「社会的な無理解」は、無頼派文学の世界観と深く共鳴し、彼女の人生の軸となります。

将来は編集者として、生きづらさを感じる人々に無頼派文学を発信し、自己を尊重できる社会づくりに貢献したい——これが彼女の志です。法政大学文学部 日本文学科では、戦後文学のゼミで無頼派を研究し、文豪ゆかりの地でのフィールドワークを通じて作品に息づく時代性を体感する計画を立てています。


【志望理由書で押し出した「強み」分析】

寺田さんのインタビューを読むと、彼女には「中学時代の車椅子生活」「カナダ留学」「無頼派文学への傾倒」「読書遍歴の幅広さ」など、多様な経歴があります。しかし志望理由書では、これらすべてを盛り込むのではなく、戦略的に「強み」を絞り込んでいる点が秀逸です。

  • 強み①

「無頼派文学との出会い」を学問的問いの起点として位置づけ、太宰治・坂口安吾という具体的な作家名と作品名で「文学的素養の深さ」を示した。

  • 強み②

「カナダ留学」を単なる海外経験としてではなく、『堕落論』の思想を現実社会で検証した「学問的検証の場」として接続させた。

  • 強み③

「自分の弱さを認めて活かす」という個人的な内省を、「現代社会の生きづらさ」という社会課題への問いに昇華させた。

注目すべきは、インタビューで語られた「車椅子生活の体験」を志望理由書には直接書いていない点です。代わりに、その経験から得た「社会的な無理解への気づき」を、無頼派文学への共鳴という形で抽象化して提示しています。「実績の数」ではなく「一つの問いをどこまで深められるか」を見せきる構成こそが、文学部の評価軸に最も刺さる戦略でした。


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まとめ

法政大学の総合型選抜は、学部ごとに多様な入試方式が用意されており、英語力・海外経験・活動実績・学問への関心など、さまざまな強みを活かして出願できる入試制度です。本記事では法学部・文学部・経営学部・人間環境学部・デザイン工学部の5学部を中心に解説し、国際文化学部・キャリアデザイン学部・GISは詳細な別記事をご案内しました。

合格のために、まずは志望学部の入試要項を精読し、自分の体験を「学問への問い」として整理してください。寺田さんの志望理由書サンプルが示すように、「実績の数」ではなく「一つの問いをどこまで深めたか」が合否を分けます。


法政大学 総合型選抜 よくある質問(FAQ)


Q1. どの学部が一番受かりやすいですか?

「受かりやすさ」は受験生の強みによって異なります。英語力に自信があるなら法学部やGIS、探究活動の実績があるなら人間環境学部や文学部、海外経験があるなら国際文化学部やGISが向いています。


Q2. 評定平均はどのくらい必要ですか?

学部により異なりますが、一般的に評定3.5以上が一つの目安です。合格者にはそれ以上の水準を持つ受験生が多い傾向にあります。


Q3. 複数学部に併願できますか?

異なる学部間の併願は原則可能ですが、同一学部内での併願はできない場合があります。一般選抜との併願も認められています。


Q4. 志望理由書には何を書くべきですか?

「過去の体験→現在の問い→未来の計画」の流れで一貫性を持って構築してください。本記事掲載の寺田さんのサンプルが参考になります。


Q5. 面接ではどのようなことを聞かれますか?

志望理由書の内容を深堀りされます。一文一文を口頭で説明できるよう準備してください。


Q6. 2027年度入試で変更点はありますか?

法政大学は入試制度の見直しを随時行っています。最新情報は必ず大学公式サイトで確認してください。