早稲田大学スポーツ科学部の総合型選抜III群(スポーツ自己推薦入試)を徹底解説!出願資格・競技レベルの目安から小論文・面接対策まで、合格に必要な情報を網羅。実際の合格者3名分のポートフォリオ例、2026年度合格者の「競技活動および学業に関する調査書」全文サンプル、合格者インタビューも掲載しています。

「早稲田のスポーツ科学部って、どのくらいの競技レベルなら出願できるの?」

「アスリート選抜とスポーツ自己推薦の違いがよくわからない…」

「競技だけじゃなく、勉強面でもどれくらい求められるの?」

早稲田大学スポーツ科学部のスポーツ自己推薦入試を受験しようと考えているものの、対策方法がわからない人は多いはずです。本記事では、スポーツ自己推薦入試の基本情報から入試の仕組みを解説します。合格するために必要なレベル感と今から取り組むべき対策を、実際の合格者3名分のポートフォリオ例・2026年度合格者の調査書全文サンプル・合格者インタビューとともに紹介します。


この記事の要約

  • 全国大会出場レベルの競技力+評定平均3.5以上が出願条件
  • 1次(書類)→2次(小論文90分+面接)の二段階選考
  • 競技実績だけでなく「スポーツを科学的に探究する力」が合否を分ける
  • 募集60名、倍率は約3〜4倍で推移し、一般選抜より門戸が広い
  • 2026年度合格者の調査書サンプル(全文)+合格者3名分のポートフォリオ例を掲載

ステップ1:スポーツ自己推薦入試を正確に理解する

早稲田大学スポーツ科学部の入試において、一般選抜と総合型選抜III群(スポーツ自己推薦)の倍率を比較すると、総合型選抜の方が数値的に低く、評価軸の面でも「ねらい目」といえます。

スポーツ科学部 総合型選抜III群(スポーツ自己推薦)倍率推移(過去5年間)

入試年度

募集

志願者

合格者

倍率

2025年度

60名

335名

85名

3.9倍

2024年度

60名

276名

79名

3.5倍

2023年度

60名

244名

78名

3.1倍

2022年度

60名

256名

76名

3.4倍

2021年度

40名

216名

55名

3.9倍

直近5年間の倍率は3.1〜3.9倍で推移しており、一般選抜(共テ+総合問題で4.6倍、共テ利用で5.8倍)に比べて合格の門戸が広い状況です。

プログラムの全体像と位置づけ

早稲田大学スポーツ科学部は、スポーツを「する」「みる」「ささえる」「しる」という多角的な視点から科学的に探究する学部です。キャンパスは所沢にあり、文理融合の学際的な学問領域としてスポーツ科学を位置づけています。

スポーツ科学部の総合型選抜は、競技レベルと目的に応じて4つの入試に分かれます。

入試方式

対象

募集人数

公募/非公募

I群(トップアスリート)

五輪・世界選手権レベル

若干名

事前セミナー必須

II群(アスリート選抜)

体育各部が求めるレベル

非公開

非公募(大学側からの指名)

III群(スポーツ自己推薦)

全国大会出場レベル

60名

公募

スポーツサポート歴入試

「ささえる」活動経験者

若干名

公募

本記事では最も受験生が多いIII群(スポーツ自己推薦入試)を中心に解説します。自分の競技レベルと学力がどの入試方式に合っているかを、まず見極めることが対策の第一歩です。

なぜスポーツ自己推薦入試という制度があるのか

スポーツ自己推薦入試の目的は、高い競技能力を持ちながら、その経験をスポーツ科学の学問的探究に繋げられる学生を受け入れることにあります。単なる競技力の選抜ではなく、「スポーツを科学的に考えられるか」「卒業後にスポーツ文化の発展に貢献できるか」という将来性を重視しています。

アドミッション・ポリシーを読み込み、大学が求める学生像と自分の志が重なる部分を見つけてみてください。

入試全体の流れ

段階

内容

時期(2027年度入試)

出願基準クリア

全国大会出場等の競技実績 / 評定平均3.5以上

出願前に確保

第1次選考(書類審査)

調査書・スポーツ競技歴調査書・競技成績証明書・競技活動および学業に関する調査書

出願:9月中旬〜下旬

第2次選考(小論文・面接)

小論文試験(資料読解・データ分析含む)+個人面接

11月上旬〜中旬

合格発表

最終合格発表

11月中旬

早稲田の他入試方式との違い

比較項目

III群(スポーツ自己推薦)

一般選抜(共テ+総合問題)

スポーツサポート歴入試

入試倍率

約3〜4倍(低倍率)

約3〜5倍

約6倍

競技実績

全国大会出場が必須

不要

不要(「ささえる」活動)

評定平均

3.5以上

条件なし

条件あり

主な評価方法

書類+小論文+面接の総合型

共テ+総合問題の学力勝負

書類+小論文+面接+共テ

向いている学生像

全国大会レベルの競技力+学ぶ意欲がある

学力で勝負したい

マネージャー・トレーナー経験者

数値上の倍率だけでなく、評価の「中身」が自分に合っているかを見極めることが合格への近道です。

【時期別】スポーツ自己推薦入試に合格する対策方法

スポーツ自己推薦入試は、高い競技力を持ちながら、そのスポーツ経験を学問的に「考え直せる」意欲を持つ生徒が求められています。対策の根幹は、「全国大会レベルの競技実績」と「スポーツを科学的に探究する力」を掛け合わせることにあります。

高校1年生の対策

早稲田大学スポーツ科学部のスポーツ自己推薦入試の合格を目指すなら、高校1年生から学業成績を安定させることが大切です。出願条件の評定平均3.5以上は「最低ライン」であり、合格者はそれ以上の水準を維持しています。実際に合格した受験生の中には評定4.5を取得していた例もあります。

競技活動に打ち込みながらも、日常の授業を疎かにしない習慣をつけてください。「競技一直線で勉強はしない」という姿勢では、この入試で評価されません。

高校2年生の対策

2年生は、全国大会出場や日本代表候補などの競技実績を固める最重要期です。インターハイ・国体・選手権などへの出場をめざし、競技成績を客観的に証明できる資料(大会プログラム・新聞記事・Web掲載結果など)を保管しておきましょう。

同時に、自分の競技経験を「スポーツ科学」の文脈で語る練習を始めてください。たとえば「なぜこのトレーニング方法が効果的なのか」「チームマネジメントで感じた課題は何か」など、競技の中に潜む「学問的な問い」を意識することが重要です。

高校3年生の対策

3年生の対策において優先すべきは、出願書類(競技活動および学業に関する調査書)の完成度を極限まで高めることです。「なぜ早稲田のスポーツ科学部でなければならないのか」「競技経験から何を学び、大学でどう深めたいのか」を、自分だけのストーリーとして言語化する必要があります。本記事後半に掲載している2026年度合格者の調査書サンプルを参考に、自分だけのストーリーを構築してください。

1次選考を通過した後は、小論文と面接に向けた集中的な対策に注力してください。出願期間は9月中旬なので、夏休み中にすべての書類を完成させておきましょう。

ステップ2:出願資格を確保する(競技実績・評定・書類)

出願資格

スポーツ自己推薦入試の出願資格は、主に以下の4条件をすべて満たす必要があります。

高校卒業(見込み):卒業見込者または卒業後1年以内の既卒者

競技実績:あらゆるスポーツ種目で、高校在学時に全国大会出場等の優秀な競技成績(高校日本代表および同候補を含む)を有する者。種目の制限はない。

評定平均:高校1年1学期から2年末までの全体の評定平均値が3.5以上。

学修意欲:入学後の勉学について明確な志向と熱意をもち、それにふさわしい能力を備えた者。

競技レベルの目安

出願に必要な「全国大会出場等の優秀な競技成績」について、出願書類の「スポーツ競技歴調査書」では「国際大会」または「全国大会(総体、国体等)」のチェック欄しかなく、地区大会レベルでは出願が困難です。ただし、トップアスリート入試(I群)やアスリート選抜(II群)ほどの競技レベルは求められていません。

2026年度入試からは、書類に記載できる競技実績数が最大3つから最大2つに変更されました。より厳選された実績で勝負することになります。

選考方法

第1次選考の書類審査では、調査書(学校長作成)・スポーツ競技歴調査書・スポーツ競技成績証明書・競技活動および学業に関する調査書が審査されます。競技力の高さだけでなく、学業との両立姿勢や入学後の学習計画の具体性が評価されます。

第2次選考では、小論文試験と個人面接が同日に実施されます。小論文では資料やデータの読み取り・分析力が、面接では志望理由や競技に対する考え方が問われます。

合格する人・落ちる人の特徴

受かる人の特徴

早稲田大学スポーツ科学部は、単に競技力が高いだけの学生を求めているわけではありません。競技経験を通じて培った思考力を、スポーツ科学という学問に接続できる人材が求められています。スポーツの「する」だけでなく「しる」という視点を持ち、自分の競技経験を客観的に分析し、科学的な探究に繋げられる人を想定しています。

落ちる人に共通する傾向

不合格の要因として最も多いのは、競技実績の羅列に終始し、「スポーツを科学的に探究したい」という学修意欲が伝わらないケースです。早稲田大学スポーツ科学部の本質は「スポーツを科学する」ことにあり、競技力だけで合格できる入試ではありません。

小論文で求められるデータ分析力が不足している場合も、評価は厳しくなります。近年のスポーツ科学は情報学や医学と密接に関わっており、図表やデータの読み解きが苦手な場合は早期の対策が必要です。

評価されやすい活動実績

スポーツ自己推薦入試で高く評価されるのは、全国大会レベルの競技実績に加え、その競技経験を「学び」に転換する姿勢です。たとえば、怪我からのリハビリ経験をスポーツ医学への関心に繋げたり、チーム戦術の分析をスポーツ情報学の視点で語れる力は強い武器になります。

ステップ3:出願書類を書くためにポートフォリオを整理する

出願書類を書く前に、自分の競技経験と学業実績を「スポーツ科学への問い」として整理する工程が不可欠です。以下では、実際にスポーツ自己推薦入試に合格した受験生のポートフォリオ例と、2026年度合格者の調査書全文サンプルを参考に、自分だけのストーリーの組み立て方を解説します。

合格者のポートフォリオ例

競技実績の「凄さ」よりも、それをどうスポーツ科学の学問的な問いに接続したかが重要です。最新の合格者3名のポートフォリオを参考に、自分の活動の整理方法を学びましょう。

例1:バスケットボール・被災地支援型(2025年度合格 / 健康スポーツ系)

活動内容:小学1年から競技を開始し、高校では中堅校を都内5位まで引き上げた。都道府県代表キャプテンとして全国5位。右足靭帯損傷・左足疲労骨折を乗り越え、怪我からの復帰経験を持つ。祖母の被災をきっかけに被災地でバスケットボール教室を主催し、新聞にも掲載された。

スポーツ科学部研究への接続:被災地での活動は科学的エビデンスに欠けていたという「負の気づき」から、「被災地域の運動と生活の関連性」を学術的に研究する必要性を見出した。健康スポーツコースで運動によるウェルビーイング向上に貢献する計画を示した。

例2:背泳ぎ・バサロキック分析型(2025年度合格 / スポーツビジネス系)

活動内容:高校入学時は全国大会出場さえできなかったが、3年間で200m背泳ぎのタイムを6秒39短縮し全国入賞。身長のハンデを「バサロキック」の徹底強化で克服。スタート後15m・各ターン後10m以上のバサロキックを実現し、動画分析で距離と回数を探究し続けた。

スポーツ科学部研究への接続:自身の競技経験から「イップス(心理的要因による運動障害)」への関心を抱き、スポーツ心理学の視点でアスリートを支える研究を志望。一方で、水泳は生涯スポーツとしてのファン層が広い点に着目し、スポーツビジネスコースで「アスリートを支えスポーツに貢献できる人材」を目指す学修計画を示した。

例3:アイスホッケー・ジュニア日本代表型(2025年度合格 / スポーツ医科学系)

活動内容:クラブチーム所属でジュニア日本代表に2年間選出。国際大会で海外選手のフィジカルの差を痛感。ウエイトトレーニング導入後、スピードとキレの両立に悩んだ経験から「自分の体と向き合いながらトレーニングする重要さ」を学んだ。

スポーツ科学部研究への接続:食事管理・動画によるシュート分析など科学的アプローチを自主的に実践した経験をもとに、2年次からスポーツ医科学コースでコンディショニングや怪我の予防を学ぶ計画を示した。短時間集中の学習習慣と「隙間時間の活用力」も具体的に言語化した。

出願書類の書き方のポイント

スポーツ自己推薦入試では、いわゆる「志望理由書」形式のエッセイではなく、「競技活動および学業に関する調査書」を自筆で記入します。記入が求められる項目は以下の3点です。

1. 自身の競技力の位置づけ:同じ種目に取り組む高校生全体の中でどのような位置づけにあると考えるか、およびその理由

2. 競技活動の目標と努力のプロセス:高校入学後の競技活動に関するこれまでの目標およびそれに向けた努力のプロセス

3. 学業への取り組みと入学後の学習計画:現在の学業への取り組みおよび早稲田大学スポーツ科学部入学後の学習計画

特に3つ目の「入学後の学習計画」は、大学が最も重視するポイントの一つです。「競技一直線」ではなく「学ぶ気持ちが十分にある」ことを具体的に示す必要があります。

2026年度合格者 調査書サンプル(スポーツ自己推薦入試)

以下は、2026年度に早稲田大学スポーツ科学部スポーツ自己推薦入試に合格した受験生が実際に提出した「競技活動および学業に関する調査書」です。3つの設問すべての回答を掲載しています。個人情報に関わる箇所は【非公開】として掲載しています。

〈調査書①:自身の競技力の位置づけ〉

私は国内の高校生の中で、誰よりもカヌースラローム競技を愛し、日本トップレベルの実力を有していると自負している。

私は小学3年生でカヌーに出会い、中学に入ってからカヌースラローム競技を始めた。

同世代の選手のほとんどが小学校低学年の頃から本格的に競技に取り組んでいた中で、開始時期はやや遅かったと言える。

しかし、経験が少ない中でより早いスピードで力を伸ばし、試合で勝つために何ができるかを考え、自分の課題についての疑問や知らない知識を国内外問わず、コーチや経験豊富な選手たちに直接聞くことにした。

積極的に話しかけることで技術や競技への向き合い方など多くのことを吸収し、視野を広げられた。

自らコミュニケーションを図り学びを得る姿勢を大切にしながら努力を重ねた結果、高校1年・3年時には【大会名非公開】で2位となり、1年時に【地域非公開】代表として出場した【大会名非公開】では、成人の部で6位の成績を収めた。

さらに、2023年度、2025年度のジュニア日本代表選手に選出され、ジュニア世界選手権をはじめとした多くの国際大会に出場してきた。

「日本代表」とは自身のパフォーマンスによってスポーツの価値を守り、創り、伝える、人々から憧れられるアスリートのことである。

ジュニア代表に選出された後は、様々な人との交流の中でも自身の行動と言動に「日本代表」としての責任を持ち、より多くの人々にカヌーの価値を伝えられるパフォーマンスを目指して競技に取り組んできた。

今後も、高いコミュニケーション能力を発揮しながらそこで得た学びをパフォーマンスに活かし、カヌーを通して人々に勇気や感動を与えられる選手を目指す。

〈調査書②:競技活動の目標と努力のプロセス〉

高校1年時に初めて国際大会に出場し、世界の同世代の選手達との差を痛感した。

そこから、世界の舞台で自分にできる最大限のパフォーマンスをし、ジュニア世界選手権の決勝に出ることを目標としてきた。

しかし、高校2年時の日本代表選考レースで大きなミスを犯し、代表チームから落ちてしまった。

その際の光景がフラッシュバックし、試合で自分の実力を十分に発揮することができなくなり、他人と比較する事が多くなった。

自分を信じられず、今まで何よりも楽しかったカヌーが楽しめなくなり、競技をやめようとも思った。

しかし、世界の舞台で活躍したいという目標を諦めきれず、これまでよりも多くの事を意識しながら練習に取り組んだ。

自分と海外選手の漕ぎを比較したり、コーチや先輩選手に相談したりする事で自分の課題を細かく分析し、練習での実践を重ねて改善してきた。

さらに、基本的な筋力トレーニングを行いながら、水上でのバランス力を鍛えるためにアスレティックトレーナーの方の指導の下、体幹やバランストレーニングを今までより多く行うようにした。

栄養士の方に協力してもらい、指導をしてもらいながら練習試合前後の食事管理にも気を配った。

また、【番組名非公開】という番組に参加し、そこでの取材、交流会を通して今まで表に出してこなかった苦しさ、夢、葛藤に真正面から向き合い、様々な悩みを持つ18歳世代の人達と本音を語り合った。

何度も泣き、苦しかった時期ではあったが、人生で1番自分自身と向き合い、尊敬する人達がくれたメッセージのように「あの子にはなれないし、なる必要もない」と思えるようになった大切な時間になった。

技術・メンタル共に大きく成長し、今の自分にできる最大限を常に目指すことで、試合でも安定してパフォーマンスすることができるようになった。

結果、翌年の選考では自分の実力を発揮し、もう一度日本代表選手になることができた。

今年フランスで開催されたジュニア世界選手権では、決勝に行くことは叶わなかったが、世界の舞台で自分の最高のパフォーマンスを発揮するという目標を達成する事ができた。

〈調査書③:学業への取り組みと入学後の学習計画〉

高校3年間は、競技に取り組みながら、勉学も疎かにせず、評定平均4.0以上を維持し続けた。特に英語に関しては、海外で遠征し様々な人とコミュニケーションを重ねる中でその重要性を痛感し、より集中して学習を行ってきた。その結果、実用英語技能検定2級を取得し、現在は準1級の取得に向けて勉強している。

また、競技を続ける中でカヌー、そして日本のマイナースポーツの発展について、スポーツビジネスを学び考えてみたいと思い、サッカーチーム【組織名非公開】を経営する【氏名非公開】さんの講習会に参加した。【氏名非公開】さんの講習を受けながら、参加した他の学生と【組織名非公開】をより強くするためのプランについてグループで議論し、プレゼンした。その中で学んだのは、どんなスポーツでもその発展のためには、競技レベルを上げる「強化」、収益を得て多くのファンを獲得する「事業」の両輪が相互に作用することが不可欠であるということだ。

しかし、このような仕組みを確立させるには、スポーツ全体を俯瞰し、広い視点から課題を捉え、長期的な発展を考える組織が必要であると考える。競技だけに囚われない広い視野を持つ組織は、より多くの観点から発展に向けたアプローチができるはずだ。そこで、貴学部に入学後は、スポーツの発展に向けて多様なアイデアを実現させ、効率よく実行していくための最善な組織・人材とはどのようなものかを探究していきたい。

そのため、大学1年次はスポーツ教養演習を通してアカデミックスキルを習得し、幅広い視点からスポーツについて論理的に考える思考を身につける。2年次からはスポーツビジネスコースを選択し、スポーツビジネスの知識を学ぶと共に、【教授名非公開】のゼミでカヌースラロームなどのマイナースポーツが独自の魅力で人気を得て、収益を生み出し、持続的な発展をするためには、組織・人材に何が必要なのかを幅広いテーマから探究していく。

卒業後はトップアスリートとして世界で活躍するとともに、選手の視点だけに囚われない幅広い視点をもって「競技レベルの向上」「収益の増加」を実現する組織を作ることで、カヌーのみならず、日本のマイナースポーツの発展に貢献していく決意だ。

ステップ4:二次選考(小論文・面接)を突破する

1次選考を通過した後の二次選考では、小論文試験と個人面接が同日に実施されます。「競技力」ではなく「スポーツを科学的に考える力」と「自分の言葉で語る論理性」が合否を分けます。

二次選考の形式と評価観点

スポーツ科学的思考力:提示された資料やデータを多角的に分析し、論理的に記述・議論できるか

書類との一貫性:出願書類に書いた内容を、追加質問にも矛盾なく答えられるか

学修意欲と将来ビジョン:スポーツ科学の探究に対する自分なりの問いと、卒業後の明確なビジョンを持っているか

小論文の対策

小論文試験は、文章読解に加えてデータや図表の分析が求められる点が最大の特徴です。近年のスポーツ科学はデータサイエンスや医学的知見と深く結びついており、グラフ・統計資料の読み取りが必須です。

過去には「この世からスポーツがなくなったらどうなるか」「大学生は子どもなのか大人なのか」といった抽象的なテーマも出題されています。面接では「スポーツにしかない特性を論じてください」「音楽とスポーツはどのような点で異なるか」といった深い思考力を問う質問もなされています。

面接の対策

面接は10〜15分程度の個人面接です。出願書類に書いた内容を軸に、志望理由・競技に対する考え方・入学後の学習計画について深掘りされます。よく聞かれる質問は以下のとおりです。

なぜ早稲田大学のスポーツ科学部を志望するのか — 他大学のスポーツ系学部との違いを踏まえて答えられるよう準備します。

あなたの競技経験から何を学び、それをどう学問に繋げたいか — 単なる「楽しかった」「努力した」ではなく、スポーツ科学の視点で語ることが重要です。

入学後にどのような研究や学修をしたいか — 具体的な授業名や研究分野を挙げて回答できるよう、シラバスを事前に精読しておきます。

スポーツの社会的意義について、あなたの考えを述べてください — スポーツを文化・社会・科学の文脈で多角的に語れるかが問われます。

二次選考前に必ずやること

以下の準備を怠ると、書類の内容と話す内容がずれて不合格に直結します。

出願書類を丸ごと読み直す:自分が書いた一文一文を口頭で「説明できる状態」にします。

スポーツ科学の基礎知識を固める:スポーツ医学・バイオメカニクス・スポーツ社会学などの基本的な概念を押さえます。

模擬面接を最低3回行う:学校の先生や塾の講師など、初対面の大人に向けて話す環境を意識的に作ります。

最新のスポーツニュースをチェックする:ドーピング問題・パラスポーツ・eスポーツなど、現代スポーツをめぐる時事情報を把握しておきます。

二次選考で評価されやすい受け答えの型

質問に対しては、以下の「結論→根拠→具体例→接続」の型で答えるのが効果的です。

【回答の型】

Q: なぜスポーツ科学部で学びたいのですか?

  1. 結論(1文)

「競技中の怪我の経験から、スポーツ医科学に基づくコンディショニングを体系的に学びたいと考えています。」

  1. 根拠(1〜2文)

「高校2年時にACL損傷を経験し、リハビリの過程で理学療法士やトレーナーの専門知識に触れました。科学的根拠に基づくアプローチの重要性を痛感しました。」

  1. 具体例(1〜2文)

「その後、自主的にスポーツ傷害に関する文献を読み始め、同じ怪我に苦しむチームメイトのリハビリを支援した経験があります。」

  1. スポーツ科学部との接続(1文)

「文理融合のカリキュラムで運動生理学とデータ分析を横断的に学べるスポーツ科学部は、私のこの問いを深める最適な環境です。」

合格者の声

合格者のリアルな体験談を知ることは、合格への最短距離を歩むために欠かせません。本記事では、リザプロの合格者インタビューから、2026年度合格者の体験を紹介します。「何を高く評価され、どのような学生が求められているか」が具体的に見えてきます。

合格者インタビュー(吉川颯姫さん / 2026年度合格)一部抜粋・割愛

https://rizapuro.co.jp/interview/4t0lyxe-1e1p

——競技とスポーツビジネスを結びつけて考えるようになったきっかけは?

カヌーというマイナースポーツを続ける中で、なぜ注目されないのかという疑問を抱きました。スポーツの「強化」と「事業」の両輪が必要だと実感し、スポーツビジネスを学問として学びたいと思うようになりました。

——海外遠征での経験はどのように志望理由書に活きましたか?

英語の重要性を体感したことと、海外のスポーツ環境の違いを目の当たりにしたことが、グローバルな視点でスポーツを捉えるきっかけになりました。

——受験生へのアドバイスをお願いします。

競技実績だけでなく「スポーツを通じて何を問いたいか」を言語化することが大切です。学業との両立を数字で示すことも評価されます。


【志望理由書で押し出した「強み」分析】

吉川さんの志望理由書は、競技(カヌー)と学問(スポーツビジネス)を有機的につなぐ構成が秀逸です。単なる競技自慢ではなく、「マイナースポーツの発展」という社会課題への視点が差別化ポイントです。

  • 強み①:カヌーというマイナースポーツ選手という独自の立場から「スポーツ普及の問い」を設定し、競技実績と学問的関心を同時に示した。
  • 強み②:レオザフットボール講習会への参加という「自発的な学びの行動」で、スポーツビジネスへの本気度を証明した。
  • 強み③:「強化×事業の両輪」という学問的フレームを自ら構築し、スポーツ科学部での学びに直結する問いとして提示した。

評定平均4.0以上の学業成績と英語資格取得という「数字で示せる学業実績」を前置きした上で、スポーツビジネスへの問いへと展開する構成は、競技と学業の両立を一貫したストーリーで示す上で非常に効果的でした。

まとめ

早稲田大学スポーツ科学部の総合型選抜III群(スポーツ自己推薦入試)は、全国大会レベルの競技力と学問への意欲の両立を求める入試です。募集60名、倍率は約3〜4倍で推移しており、一般選抜と比べて合格の門戸が広い一方、「スポーツを科学的に探究する力」が厳しく問われます。

合格を目指すために、まずは全国大会出場レベルの競技実績を確保し、評定平均3.5以上を維持しましょう。続けて出願書類(競技活動および学業に関する調査書)の作成に向けた自己分析を行い、1次合格後は小論文のデータ分析力と面接での論理的な対話力を磨いてください。

本記事で紹介した合格者のポートフォリオ例・調査書サンプル・合格者インタビューを参考に、競技経験を「スポーツ科学の探究」に繋げるあなただけのストーリーを構築してください。

早稲田大学 スポーツ科学部 スポーツ自己推薦入試 よくある質問(FAQ)

Q1. どのくらいの競技レベルがあれば出願できますか?

出願資格には「全国大会出場等の優秀な競技成績」が明記されています。スポーツ競技歴調査書のチェック項目は「国際大会」と「全国大会(総体、国体等)」のみであり、地区大会レベルでは出願が困難です。ただしI群(トップアスリート)やII群(アスリート選抜)ほどの競技水準は求められていません。種目に制限はなく、あらゆるスポーツが対象です。

Q2. 評定平均はどのくらい必要ですか?

出願条件として評定平均3.5以上が必要です。ただし、基準点はあくまで「足切り」であり、合格者はより高い評定を持っている傾向にあります。合格者の中には評定4.5を取得していた例もあります。1年次からの成績が対象になるため、入学直後から手を抜かないことが重要です。

Q3. 出願書類には何を書くのですか?

「競技活動および学業に関する調査書」を自筆で記入します。記入項目は、自身の競技力の位置づけとその理由、競技活動の目標と努力のプロセス、現在の学業への取り組みと入学後の学習計画の3点です。いわゆる志望理由書(エッセイ形式)ではなく、定められた質問に対して記入する形式です。本記事に掲載している2026年度合格者の調査書サンプルも参考にしてください。

Q4. 小論文ではどのようなテーマが出ますか?

スポーツ科学領域のテーマで出題されます。文章読解に加えて図表やデータの分析が求められることが最大の特徴です。過去には「この世からスポーツがなくなったらどうなるか」といった抽象的なテーマも出題されています。制限時間内にデータを正確に読み取り、論理的に記述する力が必要です。

Q5. 一般入試との併願は可能ですか?

可能です。スポーツ自己推薦入試は専願制ではないため、スポーツ科学部の一般選抜や他学部・他大学との併願が認められています。合格後の辞退も可能です。

Q6. アスリート選抜(II群)との違いは何ですか?

アスリート選抜(II群)は大学の体育各部と連携した非公募の入試であり、大学側からの声がけがなければ出願できません。一方、スポーツ自己推薦(III群)は公募制であり、出願資格を満たせば誰でも出願可能です。競技レベルとしてはII群がより高い水準を求められます。

Q7. 2027年度入試で変更点はありますか?

早稲田大学スポーツ科学部は、2027年度入試以降の総合型選抜III群において出願資格を一部変更することを公表しています。また2026年度入試では、書類に記載できる競技実績数が最大3つから2つに変更されています。最新情報は必ず大学公式サイトで確認してください。