青山学院大学の帰国生向け入試を徹底解説します。海外経験を活かせる入試として、全学部で実施される「海外就学経験者入学者選抜」と「外国人留学生入学者選抜」、それぞれの出願資格・倍率・選考方法を比較し、自分に合ったルートの選び方を解説します。合格者の志望理由書サンプルも掲載しています。

「青山学院大学に帰国生入試ってあるの?」

「海外経験を持っているけど、どの入試で受ければいい?」

「国際政治経済学部(SIPEC)の英語面接って難しそう…」

青山学院大学では、帰国生向け入試として「海外就学経験者入学者選抜」と「外国人留学生入学者選抜」の2系統が、全10学部の多くで実施されています。他大学のように学部ごとに方式名が分散していないため比較的シンプルですが、出願資格の時期要件(卒業後1年未満)と海外在学要件(パターンA/B)は厳格で、制度を正確に理解しておくことが合格の前提となります。本記事では、帰国生が出願可能な全入試ルートを俯瞰し、各入試の特徴・選考内容・対策のポイントを整理し、さらに2025年度合格者の志望理由書サンプルを掲載します。


この記事の要約

  • 青山学院大学の帰国生入試は「海外就学経験者入学者選抜」と「外国人留学生入学者選抜」の2系統
  • 海外就学経験者入試は日本国籍の帰国生が対象で、文学部英米文学科・法学部・国際政治経済学部・理工学部など多数で実施
  • 外国人留学生入試は外国籍の者が対象で、日本留学試験(EJU)のスコアが重視される
  • 試験は10月頃の早期実施、Web出願は8月下旬開始、合格発表は11月頃
  • 「卒業後1年未満」の時期要件により現役合格が事実上必須
  • 国際政治経済学部(SIPEC)は英語面接必須で、帰国生に最も人気の高い学部
  • 実際の2025年度合格者1名分の志望理由書サンプルを掲載

目次

ステップ1:青山学院大学の帰国生向け入試制度の全体像を理解する

ステップ2:各入試ルートの詳細と倍率

ステップ3:入試ルートを比較して自分に合った方式を選ぶ

ステップ4:合格するための対策の進め方

合格者志望理由書サンプル

まとめ

青山学院大学 帰国生入試 よくある質問(FAQ)

ステップ1:青山学院大学の帰国生向け入試制度の全体像を理解する

青山学院大学には、明治大学のように法学部のみに限定された帰国生専用入試ではなく、全10学部の多くで実施される「海外就学経験者入学者選抜」という全学統一の帰国生入試が用意されています。これに加え、外国籍の受験生向けに「外国人留学生入学者選抜」が別ルートとして整備されており、帰国生はこの2系統のいずれかを選んで出願することになります。

青山学院大学が掲げる建学の精神「地の塩、世の光」のもと、グローバル社会で活躍する人材の育成を重視する姿勢は、帰国生入試制度にも色濃く反映されています。特に国際政治経済学部(SIPEC)は英語面接を課すなど、海外で培った語学力と国際感覚を前面に評価する設計となっており、帰国生にとって最も人気の高い学部の一つです。

帰国生が出願可能な入試ルート一覧


入試名称

対象者

主な実施学部

主な選考方法

海外就学経験者入学者選抜

日本国籍を持つ帰国生

文学部英米文学科・法学部・国際政治経済学部・理工学部・経営学部 ほか

書類+小論文+面接(一部英語面接)

外国人留学生入学者選抜

外国籍の者(在留資格「留学」取得見込み含む)

文学部英米文学科・経済学部・経営学部・国際政治経済学部・社会情報学部・理工学部 ほか

書類+日本留学試験(EJU)+面接等

上記のうち、日本国籍を持つ帰国生は「海外就学経験者入学者選抜」を、外国籍の受験生は「外国人留学生入学者選抜」を利用するのが原則です。両者は対象者が明確に区別されているため、併願はできません。

ステップ2:各入試ルートの詳細と倍率

海外就学経験者入学者選抜(日本国籍の帰国生対象)

青山学院大学の海外就学経験者入学者選抜は、日本国籍を持つ帰国生を対象とした全学統一方式の入試です。出願資格は時期要件と海外在学要件の2つの軸で構成されており、以下の条件をすべて満たす必要があります。

時期要件:出願時点で高校卒業または相当する課程の修了から1年未満であること。一浪して再受験する場合は入学時点で1年を超えてしまうため出願できません。現役合格が事実上の必須条件です。

海外在学要件(いずれかを満たす)

  • パターンA(継続型):海外の高校(10〜12年生相当)に2年以上継続して在籍し、卒業見込みまたは卒業した者
  • パターンB(通算型):海外の教育課程を中学・高校(7〜12年生)で通算3年以上、または小学校を含む場合は通算4年以上受けた者

パターンBは小学校時代の滞在歴を合算できる仕組みのため、「高校時代の留学は2年未満だが、幼少期にアメリカに住んでいた」というケースでも出願できる可能性があります。

選考は書類審査+小論文+面接の組み合わせが基本で、国際政治経済学部では英語での面接が課される点が大きな特徴です。文学部英米文学科では英語運用能力を重視した独自の選考設計がなされており、高度な英語力を持つ帰国生に有利です。法学部・国際政治経済学部の出願資格問い合わせ受付期間は例年7月下旬、理工学部は例年9月上旬までと異なっているため、早期の確認が必須です。

海外就学経験者入学者選抜 倍率推移(主要学部)

学部

2025年度

2024年度

2023年度

国際政治経済学部

約4.2倍

約3.8倍

約4.0倍

文学部英米文学科

約3.5倍

約3.3倍

約3.2倍

法学部

約2.2倍

約2.0倍

約2.3倍

経営学部

約2.8倍

約2.6倍

約2.5倍

理工学部

約1.8倍

約1.6倍

約1.7倍

国際政治経済学部(SIPEC)は帰国生入試の中で最も人気が高く、倍率は4倍前後で推移しています。一方、理工学部は理系科目の学力要件があるため志願者が限られ、倍率は2倍未満と比較的狙いやすい水準です。

外国人留学生入学者選抜(外国籍の受験生対象)

外国人留学生入学者選抜は、日本国籍を持たない外国籍の受験生を対象とした入試方式です。多くの学部で日本留学試験(EJU)のスコアが必須または加点要素として活用されており、日本語・数学・総合科目(または理科)の総合力が問われます。

在留資格については、出願時点で在留資格を有していない場合でも、合格後に在留資格認定証明書を申請中であることを証明できれば出願が認められる設計です。ただし「留学」の取得申請が不許可になった場合は入学が取り消されるため、合格後の手続きを含めて慎重な準備が必要です。

社会情報学部では2025年11月実施のEJUを「補欠候補者」制度で活用するなど、学部によってEJUの扱い方が異なります。文学部英米文学科は独自の出願資格問い合わせシートを用意しており、英語運用能力を重視した選抜設計となっています。

ステップ3:入試ルートを比較して自分に合った方式を選ぶ

帰国生が青山学院大学を目指す場合、自分の国籍・海外経験・英語スコア・志望学部に応じて最適な入試ルートを選ぶ必要があります。以下の3つの軸で判断するのが効率的です。

軸1:日本国籍を持っているか

日本国籍を持つ帰国生は「海外就学経験者入学者選抜」、外国籍の受験生は「外国人留学生入学者選抜」が原則です。両者は併願できないため、まず自分がどちらの対象かを確認することが出発点となります。

軸2:海外在学期間がパターンA/Bの条件を満たすか

海外の高校に2年以上継続して在籍している場合はパターンAで、小学校時代の滞在歴を含めて通算3〜4年以上の場合はパターンBで出願できます。パターンBを活用することで、高校時代の海外滞在が短い受験生でも出願可能となるケースが多いため、幼少期の在住証明書類を早めに揃えることが重要です。

軸3:英語力を前面に出せるか

高度な英語力を持つ帰国生は、英語面接が課される国際政治経済学部(SIPEC)や文学部英米文学科が第一候補となります。一方、日本語小論文と学科課題で勝負したい場合は、法学部・経営学部・理工学部などが選択肢となります。

ステップ4:合格するための対策の進め方

青山学院大学の帰国生向け入試は、書類審査と二次選考(小論文・面接)が合否の大部分を左右します。以下の3ステップで準備を進めましょう。

ステップA:出願資格の確認と証明書類の準備

まず最優先で取り組むべきは、出願資格を満たしているかの確認です。時期要件(卒業後1年未満)と海外在学要件(パターンA/B)の両方を満たす必要があり、特に通算型で出願する場合は在学証明書・成績証明書を複数の学校から取り寄せる必要があります。判断が難しい場合は、青山学院大学の出願資格問い合わせシートを早めに活用しましょう。

ステップB:志望理由書・自己推薦書の作成

志望理由書では「なぜ青山学院大学なのか」「海外経験を通じてどのような問題意識を持ったか」「大学で何を学びたいか」「将来どう社会に貢献したいか」を一貫した論理で示す必要があります。海外経験をただ羅列するのではなく、そこから生まれた学問的な問いに接続することが重要です。建学の精神「地の塩、世の光」と志望学部のアドミッションポリシーに照らして、自分の経験がどう噛み合うかを明確に示しましょう。

ステップC:二次選考対策(小論文・面接)

日本語小論文は10月の試験に向けて、「序論・本論・結論」の構成を意識した記述練習をルーティン化してください。海外生活が長い受験生ほど日本語での論理的記述に課題を抱えやすいため、高3の夏前から週2〜3本のペースで練習を重ねることが理想です。国際政治経済学部志望者は英語面接対策が必須で、ニュースを見てそれに対する自分の意見を英語で話す練習を毎日続けましょう。口頭試問では志望理由書の内容を深掘りされるため、自分の書いた一文一文を「説明できる状態」にしておくことが重要です。

合格者志望理由書サンプル

2025年度合格者 志望理由書サンプル(経営学部 帰国生入試)

個人情報に関わる箇所は【非公開】として掲載しています。

学習または研究計画(志望学科と関連して)【300字】

私が住んでいた【地域非公開】では近年、家賃高騰が問題化していた。高校で経済学を履修した際、その原因がコロナウイルスの影響で都心部からの移住者が急増し、住宅需要が高まったことによるものであると学んだ。私はこの授業から、私たちの生活に経済が密接に関わっていると実感し、経済についてもっと学びたいと思うようになった。私は貴学で1年次にはミクロ・マクロなど経済の基礎知識を学び、2年次からは【コース名非公開】を選択して国際金融について深く学びたい。国際収支や為替レートの変動の影響などの知識を得て、グローバル経済を活性化させ、人々の生活の安定を考えられる人材になりたい。

卒業後の計画【300字】

私は卒業後、国際的に活動する【組織名非公開】に就職し、国際経済の発展に携わりたい。在学中に学んだミクロ・マクロ経済学の知識や、【コース名非公開】での研究を活かし、国際金融市場の動向分析や限られた財源の有効投資などを行い、グローバルな視点で経済の安定と成長を支える役割を果たしたいと考える。

スポーツ【200字】

私はアメリカの小学校低学年から小学校卒業までの5年間、器械体操に取り組んでいた。体操は他のスポーツと違い、技を決められないという明確な失敗が存在するスポーツであり、失敗やミスは避けられない。そのため、私は幾度も失敗することによる挫折感を味わうこともあった。しかし、その経験を通し、直面した困難の克服の仕方を学んだ。挫折を乗り越えるたびに精神的に強くなり、何度失敗しても動じない精神力を手に入れた。

課外活動【200字】

私は中学校入学後、学校のバンドに参加し、憧れていたサクソフォンを担当した。バンドメンバーたちとともに【地域非公開】の【大会名非公開】優勝という目標を掲げ、一丸となり毎日練習を重ねた。その結果、見事に優勝を果たし、さらには【地域非公開】の【施設名非公開】で演奏をする権利を獲得した。この経験を通し、チームメンバーと協力しながら一つの目標に向かって努力することの重要性を学び、強いチームワークのスキルを身につけた。

サンプル分析のポイント

  • アメリカでの生活(家賃高騰)という一次情報を、高校の経済学授業と結びつけて学問的な問いに接続している
  • 抽象的な「国際経済に興味がある」ではなく、「ミクロ・マクロ→国際経済政策コース→国際金融」という具体的な履修計画を示している
  • スポーツ(器械体操)・課外活動(バンド)の項目で、単なる実績報告ではなく「挫折からの学び」「チームワーク」といった内面的成長を言語化している
  • 全体を通じて「海外で暮らした経験」が単なる滞在歴に留まらず、経済学への関心という明確な学問的動機に昇華されている点が合格の決め手

まとめ

青山学院大学の帰国生向け入試は、明治大学のように法学部のみに限定された帰国生専用入試ではなく、「海外就学経験者入学者選抜」と「外国人留学生入学者選抜」の2系統が全学統一方式で整備されています。国際政治経済学部(SIPEC)のように英語面接を課す学部もあり、海外で培った語学力と国際感覚を正面から評価する入試設計となっています。

出願資格は時期要件(卒業後1年未満)と海外在学要件(パターンA/B)ともに厳格で、現役合格が事実上の必須条件です。早期の情報収集と出願資格確認、そして海外経験を学問的な問いに接続した志望理由書の作成が、青山学院大学合格への鍵となります。10月の早期試験実施・11月合格発表というスケジュールを活かし、合否確定後の戦略切り替えも含めた併願設計を行いましょう。

青山学院大学 帰国生入試 よくある質問(FAQ)

Q1. 青山学院大学には帰国生入試はありますか?

あります。「海外就学経験者入学者選抜」(日本国籍の帰国生対象)と「外国人留学生入学者選抜」(外国籍の受験生対象)の2系統が、全10学部の多くで実施されています。明治大学のように法学部のみに限定された方式ではなく、文学部英米文学科・法学部・国際政治経済学部・理工学部・経営学部など多くの学部で出願可能です。

Q2. 一浪した場合でも出願できますか?

原則として出願できません。海外就学経験者入試には「卒業後1年未満」という時期要件があり、一浪して再受験する場合は入学時点で1年以上経過してしまうため出願資格を失います。現役合格が事実上の必須条件です。

Q3. 小学校時代の海外滞在歴は使えますか?

海外就学経験者入試の通算型(パターンB)では、小学校時代の滞在歴を合算して出願できます。小学校(1〜6年生)を含む通算4年以上の海外教育課程在籍があれば、高校時代の海外滞在が2年未満でも出願可能な場合があります。詳細は入試要項で必ず確認してください。

Q4. 日本国籍を持たない場合はどの入試を受ければいいですか?

外国籍の受験生は「外国人留学生入学者選抜」を利用します。日本留学試験(EJU)のスコアが多くの学部で必須または加点要素として活用されるため、EJUの受験計画を早めに立てましょう。社会情報学部では2025年11月実施のEJUを「補欠候補者」制度で活用するなど、学部ごとに扱いが異なります。

Q5. 国際政治経済学部(SIPEC)の英語面接対策は?

ニュースを見てそれに対する自分の意見を英語で話す練習を毎日続けることが最も有効です。単なる英会話ではなく、時事問題に対する自分の立場を明確に述べる訓練が求められます。模擬面接も最低3回は実施し、志望理由書の内容を英語で説明できる状態にしておきましょう。

Q6. 一般入試や他の推薦入試との併願は可能ですか?

可能です。青山学院大学の帰国生入試はほとんどが専願制ではないため、同じ学部の一般選抜や他学部・他大学との併願が認められています。立教大学経営学部の帰国生入試、中央大学国際経営学部の海外帰国生等入学試験、明治大学法学部の海外就学者特別入学試験などとの併願が帰国生にとって定番の戦略です。10月試験で早期に結果が出るため、合否確定後の戦略切り替えが比較的容易です。

Q7. 出願資格があるかどうか不安です。どこに問い合わせればよいですか?

青山学院大学では出願資格問い合わせシートを用意しており、入学広報部入試課あてに送付すると文書にて回答が得られます。受付期間は学部により異なり、法学部・国際政治経済学部は例年7月下旬、理工学部は例年9月上旬までとなっています。出願資格に少しでも不安がある場合は、早めに活用することを強く推奨します。