志望理由書を書こうとして、どのような順番で何を書けばよいのか、構成に迷っていませんか。志望理由書には基本となる構成の型があり、それを押さえるだけで、ぐっと書きやすく、伝わりやすい文章になります。

この記事では、志望理由書の基本の構成と各段落の役割を解説したうえで、400字から2,000字までの文字数別の配分バランスを紹介します。あわせて、構成に沿った実際の例文やNG例文、文字数がうまく合わないときの対処法、よくある質問もまとめたので、ぜひ参考にしてください。

▶︎志望理由書 書き方 高校生

志望理由書の基本の構成・流れ

まずは、志望理由書のもっとも基本的な構成とその流れを確認しましょう。

志望理由書は、「結論・要点」「きっかけ」「大学の志望理由」「将来の目標やビジョン」という4つの要素で組み立てるのが基本です。この順番で書くことで、読み手が内容を理解しやすい、筋の通った文章になります。

1. 結論・要点

最初の「結論・要点」では、冒頭で志望理由の結論を端的に示します。導入の部分で文章全体のテーマを提示しておくことで、読み手はこれから展開される内容をスムーズに理解できます。

ここで意識したいのは、抽象的な表現を避けることです。「学びたいことがある」といった漠然とした書き方ではなく、どの学問分野で何を学びたいのかという核心を、簡潔にアピールしましょう。

最初の数行で要点が伝われば、その後の文章も読み進めてもらいやすくなります。

2. その学問分野に興味を持ったきっかけ

次の「きっかけ」では、その学問分野に興味を持つようになった、自分自身の過去の具体的な経験を説明します。

部活動やボランティア、読んだ本、日常のなかの出来事など、心が動かされた場面を盛り込むと、ほかの受験生にはない独自性が生まれます。

ただ、単なる思い出話や事実の羅列で終わらせないように注意してください。その経験を通じて、どのような疑問や問題意識を抱いたのかという、自分の思考のプロセスまで書くことで、説得力のあるきっかけになります。

3. 大学の志望理由

「大学の志望理由」では、数ある大学のなかで、なぜその大学・その学部でなければならないのかを、大学の特徴と結びつけて説明します。

公式サイトやパンフレット、シラバスを深く調べ、特定のカリキュラムや教授の研究内容、独自のプログラムなど、特に惹かれた点を具体的に示しましょう。オープンキャンパスで実際に感じたことや大学が掲げるアドミッションポリシーと自分との一致を伝えられると、より説得力が高まります。

4. 将来の目標やビジョン

最後の「将来の目標やビジョン」では、大学での学びを経て、卒業後にどのような職業に就き、社会にどう貢献していきたいのかを具体的に示します。

大学への入学をゴールにするのではなく、将来の明確なビジョンを実現するための通過点として位置づけることがポイントです。

また、ここで述べる将来像が、これまでに書いてきたきっかけや志望理由と矛盾なくつながっているかを確認し、文章全体に一貫性を持たせることが大切です。

【文字数別】志望理由書の構成の配分バランス

指定される文字数は大学や学部によってさまざまで、文字数が変われば各段落に割くべき分量のバランスも変わってきます。

ここでは、代表的な文字数ごとに、構成の配分の目安と書き方のコツを紹介します。自分が書く文字数に近いものを参考にしてください。

  • 400文字の場合
  • 600文字の場合
  • 800文字の場合
  • 1,000文字の場合
  • 2,000文字の場合

400文字の場合

400文字は、文字数がかなり制限されます。

配分の目安としては、導入ときっかけを合わせて全体の約40%、志望理由に約40%、将来の展望に約20%ほどを充てましょう。

導入や結論はそれぞれ1〜2文にとどめ、「なぜこの分野か」「なぜこの大学か」という核心に多くの文字数を割くのがポイントです。

エピソードの細かな情景描写は最小限にし、必ず伝えたい要素だけをストレートに表現することが大切です。

600文字の場合

600文字になると、400文字よりも内容に少し肉付けができます。

配分は、導入に約10%、きっかけに約30%、志望理由に約40%、将来の展望に約20%ほどが目安です。

増えた分量を活かして、自分の経験から得た気づきや学びを丁寧に言語化するとオリジナリティが出ます。

その際、結論から将来の目標までの流れに論理の飛躍がないかを確認し、「また」「そのため」といった接続詞を使って、スムーズに読める文章を意識するとよいでしょう。

800文字の場合

800文字は、志望理由書で指定されることが特に多い文字数です。

各段落を詳しく書けるため、配分は導入に約10%、きっかけに40〜50%、志望理由に約30%、将来の展望に15〜20%ほどが目安になります。

きっかけのエピソードでは、出来事そのものだけでなく、そのときの自分の感情や思考の変化まで具体的に描くと説得力が増します。

志望理由は、カリキュラムや教授陣の研究内容など、複数の観点から多角的にアピールするとよいでしょう。

1,000文字の場合

1,000文字、そして1,200文字程度の場合も、配分の目安は800文字と大きく変わらず、導入に約10%、きっかけに40〜50%、志望理由に約30%、将来の展望に15〜20%ほどです。

分量が多いぶん、それぞれの段落をより深く掘り下げて記述できます。

きっかけの部分では、一つの経験を深く分析するか、関連する複数のエピソードを組み合わせるとよいでしょう。

また、大学での学習計画について入学後の具体的なロードマップを示すと、より効果的になります。

2,000文字の場合

2,000文字になると、小論文に近い構成になります。

配分は、序論に5〜10%、きっかけに35〜40%、志望理由に30〜40%、将来に25〜30%ほどが目安です。

これだけの分量があるため、個人の体験談だけでなく、社会的な背景や客観的なデータも交えながら、自分の問題意識を論理的に説明できると説得力が高まります。

志望理由では、大学のリソースをどう活用し、どのような研究成果を出したいのかという、学術的な探究心まで示せると良いでしょう。

志望理由書の例文

ここからは、実際にリザプロのサポートを受けて合格した先輩たちの志望理由書を、全文で紹介します。

先ほど解説した「結論→きっかけ→志望理由→将来」の流れが、どのように組み立てられているかに注目しながら読んでみてください。

活動や経験を軸にした例文

上智大学 外国語学部 合格


私は将来、貿易に携わり、地元の特産品をはじめとして、一つでも多くの日本の商品の魅力を海外に伝えたいと考えている。

カナダ留学をした際、「ジャパニーズフェア」を留学先の高校で企画し、日本食を販売して日本文化について紹介したところ、好評を得た。帰国後、「総合的な探究の時間」のなかで、地元の特産品をはじめとする日本の製品を世界中に販売している企業の方から、国際的な取引には高い英語力が求められると伺った。さらに、相手国のニーズや文化的・宗教的な価値観に合った製品を提案する必要があると聞き、英語とその背景にある文化や国際関係について学べる環境に身を置きたいと思うようになった。

貴学では、他国の文化を深く学びながら、英語での授業を通して、貿易の際に求められる高い英語運用能力を身につけることができる。「Cultures of the English-Speaking World」などの授業で英語圏の生活や文化を学び、「Presentation Skills」ではジェンダー平等をはじめとする時事問題を扱い、ディスカッションを通して、課題発見やその解決策を多角的に捉えられる人材になりたい。加えて、国際的な商取引の場で求められる、自分の意見を論理的に伝えるスキルも養いたい。

また、高校在学中のある国からの留学生との交流をきっかけに、東南アジアだけでなく南アジアなど、アジア各国で日本の商品への関心が高いことに気づいた。そのため、副専攻では「アジア研究コース」を選択し、宗教や文化への理解を統合的に深め、アジア諸国のニーズを考察することで、アジア市場にも日本の製品の良さを伝えたい。

以上により、目標を達成するうえで適した教育環境が整っていると考え、貴学外国語学部英語学科を志望する。

(約731文字)

この例文は、冒頭で「貿易に携わり、日本の商品の魅力を海外に伝えたい」という結論を示し、続けてカナダ留学や探究の時間での経験をきっかけとして語っています。

そのうえで、具体的な授業名を挙げて志望理由を述べ、最後に将来のビジョンへとつなげており、結論→きっかけ→志望理由→将来という流れがきれいに整っています。

学習や興味を軸にした例文

上智大学 文学部 合格


私はドイツ語圏の文化を中心に、ヨーロッパの歴史や文化を研究することで、先進的な取り組みを行うヨーロッパ諸国の貢献を明らかにし、世界の創造的な進歩に寄与できる人材になりたい。

きっかけは、小学5年生から中学3年生までの5年間を過ごした、アメリカでの学びにある。現地の中学校で、ドイツ人の先生によるSocial studiesの授業を受けた際、ドイツの文学や芸術作品、周辺国の歴史などを学ぶ機会があった。またその講義後に勧められた小説『モモ』を読み、ドイツ学への関心がさらに高まった。さらに中学2年次には、姉妹校から来たドイツ人留学生と、ベルリンの壁にまつわる歴史について、同じ敗戦国同士という立場で語り合い、文化の比較を通して学びを深めた。日本に帰国してからは、高校の国際理解科目のなかでEUに関する講義を集中的に受講したり、ドイツの宗教的な建造物を中心に建築文化の比較やインバウンドへの影響を研究したりと、実践的に関心を突き詰めてきた。

これらの経験を通して私は、都市計画や移民問題、環境への取り組みなどを積極的に行う現代ドイツを形づくったのは、歴史や文学を生み出した当時の人々であると感じるようになった。かつて「欧州の病人」と呼ばれたドイツが、EUを支える国にまで成長した背景には、国の政策だけでなく、それを支えた国民性が関係していると考えたためだ。

そこで私は貴学文学部ドイツ文学科で、ドイツを多角的に分析するためのツールとなるドイツ語を習得することはもちろん、論理的思考力や発信力を育みながら、文化研究に勤しみたい。特に、日独比較文化を専門とする教授の講義で、より深くドイツ語圏の文化を学びたい。また、横断型の人文学プログラムを活用して、文化研究の手法も極めたい。

以上より、私は貴学文学部ドイツ文学科での学びを希望する。

(約759文字)

この例文も、冒頭でドイツ文化研究という結論を掲げ、アメリカでの授業や読書、留学生との対話といった、具体的なきっかけを丁寧に描いています。

さらに、教授の講義やプログラムを挙げて志望理由を示し、将来像へとつなげることで、4つの要素が一貫した構成になっています。学習や興味を軸にした志望理由書の好例だといえるでしょう。

志望理由書のNG例文

続いて、構成が崩れてしまっているNG例文を2つ紹介します。自分の志望理由書が同じようになっていないか、確認しながら読んでみてください。

思い出話が長すぎる例文

私が貴学を志望する理由は、教育について学びたいからです。私が教育に興味を持ったのは、中学生のときでした。当時、私は野球部に所属しており、毎日朝早くから練習をしていました。ある日、後輩がうまくバットを振れずに悩んでいたので、私は放課後に残って一緒に練習をすることにしました。最初はなかなか上達しませんでしたが、フォームを一つずつ確認し、声をかけ続けたところ、少しずつ打てるようになりました。その後輩が初めてヒットを打ったときの嬉しそうな顔は、今でも忘れられません。三年間の部活動を通して、私は多くの仲間と汗を流し、悔しさや達成感を味わいました。こうした経験から、私は人に教えることの楽しさを知り、貴学の教育学部で学んで教員になりたいと考えています。

(約323文字)

この例文は、きっかけとなった部活動の思い出話に大半の文字数を割いてしまっており、肝心の「なぜその大学なのか」「将来どうしたいのか」がほとんど書けていません。

エピソードが具体的なのは良い点ですが、構成のバランスが崩れると、志望理由そのものが薄く見えてしまいます。

きっかけは要点を絞り、志望理由と将来にも十分な分量を配分することが大切です。

大学のパンフレットを丸写ししている例文

私が貴学を志望する理由は、貴学の充実した教育環境に惹かれたからです。貴学は長い歴史を持ち、これまでに多くの卒業生を社会に送り出してきました。文学部や法学部、経済学部、理工学部など多彩な学部を擁し、少人数教育を重視しています。キャンパスには最新の図書館や研究施設が整備されており、留学制度も充実しています。また、貴学は「自由と進歩」を建学の精神として掲げ、グローバル人材の育成に力を入れています。海外の協定校は40か国以上にのぼり、語学教育にも定評があります。さらに、就職支援も手厚く、キャリアセンターによる個別サポートを受けることができます。こうした恵まれた環境のもとで、私も成長したいと考え、貴学を志望します。

(約306文字)

この例文は、大学案内に載っているような情報の紹介に大半を費やしており、志望理由の段落が全体の大部分を占めてしまっています。

一方で、自分自身のきっかけや将来の目標はほとんど書かれていません。大学の特徴に触れること自体は必要ですが、パンフレットの丸写しでは、その大学でなければならない理由が伝わらないため、自分の経験や目標と結びつけて取り上げることが大切です。

志望理由書の指定文字数を満たせない・収まらない場合の対処法

ここでは、指定された文字数をうまく満たせない、あるいは収まらないという場合の対処法を紹介します。

前提として、指定文字数の9割程度は埋めるのが理想です。文字数が「〇〇文字以内」と指定されている場合はオーバーしてはいけませんが、「〇〇文字程度」であれば、1割ほどを目安に超えても問題ありません。

指定文字数を満たせない場合の対処法

文字数が足りない場合、その多くは、自己分析や大学研究の掘り下げが不足し、内容が抽象的になりすぎていることが原因です。

対処法としては、まずきっかけとなったエピソードに、「なぜそう感じたのか」「そのときどう行動したのか」という感情や思考のプロセスを書き足してみましょう。

また、大学の具体的な授業名や教授名、オープンキャンパスで得た情報などを加えると、大学とのマッチングがより詳しく伝わり、自然と文字数も増えていきます。

ただ字数を稼ぐのではなく、内容を深めることを意識することが大切です。

指定文字数に収まらない場合の対処法

反対に文字数がオーバーしてしまう場合は、一つの段落に情報を詰め込みすぎているか、重要度の低いエピソードまで書こうとしていることが原因として考えられます。

対処法としては、「結論」や「志望理由」という、もっとも伝えたい内容と直接関係のないエピソードは、思い切って削りましょう。

また、「〜ということもあり、また〜なので」といった冗長な言い回しは、簡潔な表現に言い換え、一文を短くすることも効果的です。

優先順位をつけて、伝えたい要素を絞り込むことを意識しましょう。

志望理由書の構成に関するよくある質問

最後に、志望理由書の構成について、受験生からよく寄せられる質問をまとめました。気になる項目から確認してみてください。

志望理由が複数ある場合の構成はどうすればいい?

志望理由が複数ある場合は、思いつくままに並べるのではなく、もっとも重要で説得力のある理由を一つ選び、構成の軸に据えることをおすすめします。

メインの理由をしっかり掘り下げたうえで、補足として二つ目の理由を付け加えると、まとまりのある文章になります。

もし理由をいくつも並べすぎると、一つひとつが浅くなり、結局何が一番の決め手なのかが伝わりにくくなってしまうため注意が必要です。

数よりも、軸となる理由をどれだけ深く語れるかを意識するとよいでしょう。

構成の順番は変えてもいい?

基本的には、「結論→きっかけ→志望理由→将来の目標」という結論先行型の順番が、読み手にとってもっとも理解しやすいため、この型に沿うのが安全です。

文章を書くことに自信がある場合は、きっかけのエピソードから書き始める構成も可能です。

ただし、最後まで読まないと結論がわからない構成は、読み手にストレスを与えてしまうおそれがあります。

基本の型を大きく崩したいときは、学校の先生や塾の講師に添削を依頼して、流れが自然かどうかを確認してもらうと安心です。

挨拶や自己紹介の段落は必要?

志望理由書は手紙ではないため、「初めまして、〇〇高校の△△です」といった挨拶や自己紹介の段落は必要ありません。

冒頭の一文目から、単刀直入に志望理由の本題に入るのが、志望理由書の基本的な書き方です。

文字数が限られているからこそ、挨拶のような前置きは省き、自分の熱意や志望理由を伝える中身に、すべての文字数を充てることが大切です。

自己紹介に使う分量があるなら、その分、きっかけや将来のビジョンを具体的に書き込みましょう。

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ここまで、志望理由書の基本の構成から、文字数別の配分バランス、例文とNG例、文字数が合わないときの対処法、よくある質問までを紹介してきました。

志望理由書は、「結論→きっかけ→志望理由→将来の目標」という流れを意識し、文字数に応じて各段落の配分を調整すれば、論理的で読みやすい文章に仕上がります。

とはいえ、自分の構成のバランスや内容が適切かどうかを、一人で判断するのは難しいものです。リザプロでは、総合型選抜を知り尽くしたプロの講師が、構成の組み立てから一つひとつの段落の書き方、面接対策まで、一人ひとりに合わせてサポートしています。

この記事で紹介した構成を参考に、まずは自分なりの志望理由書を組み立ててみてください。

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