志望理由書をひととおり書き上げたものの、最後の締めの文がしっくりこない、なんとなく綺麗に収まらないと感じている方は多いのではないでしょうか。締めくくりは面接官が最後に読む部分であり、文章全体の印象を大きく左右する大切な箇所です。
この記事では、志望理由書の締め方でよく使われる5つのパターンを、例文付きで紹介します。あわせて、リザプロ生の実際の締めの例文、締めの文を作るときに押さえたいポイント、避けたいNG例、よくある質問もまとめました。高校生が自分一人でも仕上げられるよう、具体的に解説していきます。読み終えるころには、自分に合った締め方を選び、自信を持って志望理由書を仕上げられるはずです。
▶︎志望理由書
志望理由書の締め方が重要な理由
志望理由書において、締めくくりは面接官が最後に読む部分であり、文章全体の読後感を大きく左右します。評価にも影響しやすいため、締めの一文はおろそかにできません。
また、締めくくりは、大学への熱意や入学したいという本気度を、最後にもう一度伝えられる重要な箇所でもあります。書き出しで掲げた結論を締めで改めて提示することで、文章全体の主張が補強され、説得力も高まります。
特に総合型選抜では熱意や一貫性が重視されるため、締めの文まで意識して書き上げることが大切です。
志望理由書の締め方の主なパターン
ここからは、志望理由書の締め方でよく使われる代表的な5つのパターンを紹介します。それぞれ向いている受験生のタイプや学部の傾向が異なるため、本文で書いた内容や自分の将来像と照らし合わせながら、どの締め方が合いそうかを考えてみてください。
職業や社会貢献につなげるパターン
職業や社会貢献につなげるパターンは、大学での学びを将来就きたい職業や社会での活躍に結びつけて締めくくる、オーソドックスな締め方です。
「〇〇の知識を活かし、将来は〜として社会に貢献していきたいです」のように、学んだ先の決意を表明します。締めくくりで具体的な将来像を示すことで、志望理由書全体に一本の筋が通り、入学後の目的意識の高さが伝わりやすくなります。
将来の夢や就きたい職業がはっきりしている受験生に向いている締め方だといえます。
例文(締めの文)
貴学で培う公衆衛生の知識を活かし、将来は地域の保健行政に携わる専門職として、人々が健康に暮らせる社会の実現に貢献していきたいと考えています。
(約70文字)
大学独自の環境について魅力を語るパターン
大学独自の環境について魅力を語るパターンは、その大学ならではのカリキュラムや施設を締めくくりで改めて取り上げ、入学への思いを念押しする締め方です。
本文で述べた志望理由を、もう一度その大学固有の強みと結びつけることで、ほかの大学ではなくこの大学で学びたいという必然性が伝わりやすくなります。
オープンキャンパスで強く心を動かされた場合や特定の研究室で学びたい場合に向いています。締めでも具体的な特色に触れると、入念に調べたうえで出願しているという姿勢を示すことが可能です。
例文(締めの文)
少人数で実践的に学べる貴学のPBL型カリキュラムは、私が課題解決力を磨くうえで欠かせない環境です。この学びの場で、構想を形にする力を確かなものにしたいと考えています。
(約83文字)
社会問題の解決を熱望するパターン
社会問題の解決を熱望するパターンは、書き出しで提示した社会課題に立ち返り、大学での学びを通じてどう解決していきたいかを宣言する締め方です。
問題提起から解決への決意までが一つの流れでつながるため、論理的でまとまりのある印象を与えられます。特に法学部や経済学部、社会学部など、社会との関わりが深い学部を志望する場合に向いています。
締めでは、課題に対して自分が果たしたい役割を、前向きな言葉で言い切ることが大切です。
例文(締めの文)
冒頭で述べた情報格差という課題に対し、貴学で学ぶ社会情報学を礎として、誰もが必要な情報にアクセスできる仕組みづくりに取り組んでいきたいと考えています。
(約75文字)
地域貢献を目標とするパターン
地域貢献を目標とするパターンは、自分が生まれ育った地域やその大学がある地域社会の発展に貢献することを示して締めくくる締め方です。
地域に根ざして活躍したいという具体的なビジョンを示すことで、説得力のある締め方になります。地域に貢献する人材の育成を掲げている地方の国公立大学などを志望する場合に、特に響きやすい締め方だといえます。
卒業後にその地域でどう働き、何を担いたいのかまで踏み込むと、地元への思いがより明確に伝わるでしょう。
例文(締めの文)
貴学で地域経済の活性化について学んだのち、生まれ育った〇〇県に戻り、若い世代が働き続けられる産業づくりを担う人材として、地域の未来に貢献したいと考えています。
(約79文字)
学習意欲そのものをアピールするパターン
学習意欲そのものをアピールするパターンは、特定の分野への強い知的好奇心を示し、大学で深く学び続ける姿勢そのもので締めくくる締め方です。
具体的な職業名を挙げられなくても、主体的に学ぼうとする意欲をしっかり伝えられます。将来の職業がまだ定まっていない場合でも使いやすい締め方です。理学部や文学部など、純粋な学問の探究が求められる学部を志望する場合に向いています。
締めでは、何をどこまで学びたいのかを具体的に書くと、意欲の強さが伝わりやすくなります。
例文(締めの文)
素粒子物理の根源的な問いに触れるたびに、私の探究心はいっそうかき立てられます。貴学で誰よりも深く学び、未知の現象を解き明かす研究に没頭していきたいと考えています。
(約81文字)
志望理由書の締め方の例文
ここからは、実際にリザプロのサポートを受けて合格した先輩たちの志望理由書から、締めの部分を紹介します。締めの直前の段落から最後の一文へ、どのようにつなげているかにも注目しながら読んでみてください。
内部リンク▶︎志望理由書 例文 大学
Aさん
早稲田大学 社会科学部 合格
締めの直前の段落〜締めの文
私は、世界の平和と人権を守る活動に携わりたいです。そのために、大学では国際関係学を学び、2年次からは平和構築や難民問題の研究に取り組みたいと考えています。
今後は、国際問題を正確に把握し、自分の意見を多くの人に届ける力をつけるため、英語力と発信力の向上にも力を入れたいです。将来は、国際機関やNGOなどで紛争や貧困の問題に取り組み、誰一人取り残さない社会の実現に貢献したいです。
(約188文字)
締めの直前で大学での学びの計画を述べたうえで、最後にそれを将来の進路と社会への貢献へと結びつけている点が良いです。
学びと将来像が一本の線でつながっているため、入学後に何を目指すのかという目的意識の高さが、はっきりと伝わってきます。
Bさん
早稲田大学 商学部 合格
締めの直前の段落〜締めの文
私は、これまで英語学習に熱心に取り組み、高校では英検準一級などの資格も取得しました。早稲田大学には留学制度の充実はもちろん、学内でも実践的な英語授業を受けられるなど、英語力を伸ばす制度が整っています。さらに、商学部は同じ棟に国際教養学部があり、その学生や留学生と英語でコミュニケーションをとり、友好関係を築くことができる環境です。これらの環境に身を置くことで自身の英語力をさらに伸ばし、グローバルで活躍するという夢を叶えたいです。
このように、早稲田大学こそ私の理想とする学生生活を送り、人間として大きく成長できる場だと考えているため、早稲田大学商学部を志望します。
(約282文字)
締めの直前で、留学制度や実践的な英語授業、国際教養学部との交流といった、その大学ならではの環境を具体的に挙げています。
そのうえで最後に「早稲田大学こそ」と言い切っているため、ほかの大学では代えがたいという必然性が伝わる締め方になっています。
Cさん
慶應義塾大学 法学部 合格
締めの直前の段落〜締めの文
現実的でよりよい実行策まで検討できる人材へと成長した私は、地方自治の研究者として、住民の声が届いた地域社会を築きたい。
日本の地域政策において、埋もれゆく声にどれだけ地方政治が寄り添えるか。現地で150人以上の声に耳を傾けてきた私には、住民の声なき声を政治に反映させ、住民の生活が守られる社会を構築する使命がある。この志を実現するために、貴塾法学部政治学科で学びたいと強く思っている。
(約191文字)
本文で取り上げてきた地方自治や住民の声という社会課題に立ち返り、それを自分の使命として言い切ったうえで、大学での学びにつなげています。
問題提起から解決への決意までが一貫しているため、論理的でまとまりのある締め方になっています。
志望理由書の締めの文を作るときに押さえるべきポイント
ここでは、どのパターンを選ぶ場合でも共通して意識したい、締めの文づくりの3つのポイントを紹介します。
- 書き出し(結論)と一貫性のある内容にする
- 将来の目標や今後の展望を含ませる
- その大学でなければならない理由がわかる一言を添える
書き出し(結論)と一貫性のある内容にする
1つ目のポイントは、書き出しで提示した結論と一貫性のある内容で締めくくることです。
志望理由書では、最初と最後で主張がブレていないかどうかが、論理的な文章として評価される大きな鍵になります。冒頭で「〇〇を学びたい」と述べたなら、締めもその軸に沿って結ぶ必要があります。
もし本文を書き進めるうちに方向性が変わってしまった場合は、もう一度書き出しに戻って、全体の軸を整え直すとよいでしょう。書き終えたら、冒頭と締めを通して読み返し、話がつながっているかを確認することが大切です。
将来の目標や今後の展望を含ませる
2つ目は、締めくくりに将来の目標や今後の展望を含めることです。
過去のエピソードや現在の課題を語ったところで終わってしまうと、文章が途中で止まったような印象を与えかねません。最後は、その大学に入って何をどう学びたいのか、将来どのように活躍したいのかを、未来へ向けた前向きな言葉で結びましょう。
その際、「〜できたらいいなと思います」といった控えめな表現よりも、「〜していきたいです」と少し強めに言い切るほうが、熱意や本気度が伝わりやすくなります。
その大学でなければならない理由がわかる一言を添える
3つ目は、その大学でなければならない理由がわかる一言を添えることです。
締めくくりで自分の夢や目標だけを語って終わると、ほかの大学にもそのまま使えそうな内容になりやすく、志望度が伝わりにくくなります。そこで、「貴学の〇〇という環境でこそ」「貴学の理念のもとで」といった言葉を、自然に織り込むと効果的です。
締めの段階でもう一度、その大学独自の強みと自分の目標を結びつけることで、ほかの大学の使い回しではない、その大学への本気度が伝わります。
志望理由書の締め方のNG例
続いて、締めくくりでつい陥りがちなNG例を4つ紹介します。自分の締め方が当てはまっていないか、確認しながら読んでみてください。
- 本文で触れていなかった分野や新しい目標が登場している例
- 受け身になっている例
- 抽象的すぎる例
- まとまりがなく長すぎる例
本文で触れていなかった分野や新しい目標が登場している例
一つ目は、本文で触れていなかった分野や目標が、締めくくりで突然登場してしまう例です。
書き出しや本文では一度も述べていなかった新しいテーマを最後に持ち出すと、読み手は話の流れを見失ってしまいます。
いろいろなことを学びたいという意欲自体は良いことですが、志望理由書では、本文で語ってきたメインテーマを軸に、最後まで一貫させて完結させることが大切です。
NG例
貴学で経営学を学びたいと考えています。また、入学後は心理学や国際関係にも幅広く挑戦し、いつか起業もしてみたいです。
改善例
貴学で経営学を学び、データを根拠に組織の課題を解決できる人材になりたいです。文化祭の運営で芽生えたこの目標を、貴学のゼミでの実践を通じて確かなものにしていきます。
受け身になっている例
二つ目は、締めくくりが受け身になってしまっている例です。
「貴学の手厚いサポートで成長させてもらいたい」「先生方に導いていただきたい」といった他力本願な言葉で結ぶと、自分から学ぼうとする姿勢が伝わりません。大学は本来、自ら主体的に学ぶ場であるため、受け身の表現はマイナスの印象につながりやすくなります。
締めくくりは、自立した前向きなスタンスで、自分が何をするのかを主語にして書き切ることを意識しましょう。
NG例
貴学の充実した環境と手厚いサポートのなかで、立派な人材へと成長させていただきたいと思います。
改善例
貴学の充実した研究環境を活かし、自ら課題を見つけて学びを深め、〇〇の分野で社会に貢献できる人材になります。
抽象的すぎる例
三つ目は、締めくくりが抽象的すぎる例です。
「貴学での学びを胸に、世界に笑顔を届ける架け橋のような存在になりたいです」といった、ふんわりとしたポエムのような表現で終わってしまうパターンです。志望理由書は作文コンクールではないため、感情に訴える言葉だけで終わらせず、具体的な内容に落とし込む必要があります。
「一生懸命頑張ります」といった精神論も、中身が見えにくく抽象的になりがちなので避けたいところです。何を、どのように実現したいのかを、具体的な言葉で示しましょう。
NG例
貴学での学びを糧に、いつか世界中の人々の笑顔をつなぐ架け橋のような存在になれるよう、一生懸命頑張りたいです。
改善例
貴学で国際協力論を学び、卒業後はNGO職員として、難民キャンプの教育支援に携わる人材になりたいと考えています。
まとまりがなく長すぎる例
四つ目は、締めくくりにまとまりがなく、長くなりすぎている例です。
最後の段落に複数の要素を詰め込み、一文をだらだらと続けてしまうと、もっとも伝えたい強い決意がぼやけてしまいます。締めくくりの段落は、志望理由書全体の1.5〜2割程度の文字数にすっきりと収めるのが目安です。
また、一文を短く区切り、要点を簡潔に言い切るほうが、面接官の印象にも残りやすくなります。あれもこれもと盛り込まず、伝えたい決意を一つに絞ることを意識しましょう。
NG例
貴学で経営学を学んで将来は起業したいですし、留学にも挑戦したいですし、ボランティアにも力を入れて、いろいろな経験を通して多くの人に貢献できるよう、自分なりに精一杯努力を重ねていきたいと思っています。
改善例
貴学のゼミで実践的に経営学を学び、卒業後は地域の中小企業の経営を支える人材になります。文化祭の運営で得た学びを、その第一歩にしたいと考えています。
志望理由書の締め方に関するよくある質問
最後に、志望理由書の締め方について、受験生からよく寄せられる質問をまとめました。気になる項目から確認してみてください。
締めの文は何文字くらい書けば良い?
締めの文の文字数は、志望理由書全体の1.5〜2割程度を目安にすると、バランスよくまとまります。たとえば全体が800文字なら100〜150文字程度、400文字なら50〜80文字程度が一つの目安です。
なお、これはあくまで目安であるため、指定された文字数や内容に応じて調整しましょう。
ただ、文字数が余ったからといって、無理に締めを引き伸ばす必要はありません。短くても、伝えたい決意がはっきり伝わる締めのほうが、読み手の印象に残りやすくなります。
「よろしくお願いいたします」のような挨拶は必要?
「よろしくお願いいたします」や「ご一読ありがとうございました」といった、手紙のような挨拶の言葉は、基本的に必要ありません。
志望理由書は、自分の熱意や適性をアピールするための書類です。挨拶に文字数を割いてしまうと、その分だけアピールに使える分量が減ってしまいます。
同じ文字数を使うのであれば、大学への熱意や入学後の具体的なビジョンを伝える、前向きな言葉に充てるほうが効果的です。締めくくりは、最後まで自分自身を伝える場として使いましょう。
書き出しと同じ内容になっても問題ない?
書き出しと締めで同じ主張になること自体は、まったく問題ありません。むしろ、冒頭で掲げた結論を締めでもう一度示すことで文章全体に一貫性が生まれ、伝えたいことが読み手の印象に残りやすくなります。
ただし、一言一句まったく同じ文章を繰り返すのは避けたいところです。締めでは、入学後にどう学び、何を実現したいのかといった、未来へ向けた言葉を添えて発展させましょう。同じ結論でも、表現や視点を変えることで、締めにふさわしい前向きな結びになります。
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ここまで、志望理由書の締め方について、代表的な5つのパターンから、押さえるべきポイント、避けたいNG例、よくある質問までを紹介してきました。
締めくくりに決まった正解はありませんが、書き出しと一貫性を保ち、未来へ向けた前向きな言葉で具体的に言い切ることを意識すれば、読後感の良い締め方ができます。
一人で締めの良し悪しを判断するのが難しいと感じたときは、第三者に読んでもらうのも有効です。リザプロでは、総合型選抜を知り尽くしたプロの講師が、書き出しから締めくくり、面接対策まで、一人ひとりに合わせてサポートしています。
紹介した5つのパターンやNG例を一つずつ照らし合わせながら、まずは自分なりの締めの文を書いてみてください。
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