早稲田大学人間科学部FACT選抜を徹底解説。試験内容や倍率に加え、合格体験談から紐解く対策のコツについて詳しく紹介します。


「早稲田大学のFACT選抜ってどんな入試?」

「試験は難しいのかな…」

「合格するにはどんな対策が必要?」



早稲田大学における総合型選抜の一つである「FACT選抜」。

受験を検討しているものの、どのような入試かわからず不安に感じている人は多いですよね。

試験内容や倍率など、詳細を確認したうえで受験するかを決めたい人もいるはず。 

そこで本記事では選考内容や難易度を交え、早稲田大学・FACT選抜の特徴を徹底解説します。合格者の体験談や対策方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。



この記事の要約

  • 出願条件は評定平均3.9以上
  • 1次試験は志望理由書と事前課題
  • 2次試験は論述試験と面接試験


早稲田FACT選抜とは?

早稲田大学のFACT(Fundamental Academic Competency Test)選抜は、人間科学部で実施されている総合型選抜です。知識の暗記ではなく、データを読み解く「分析力」、論理を構築する「論理力」、そして他者と知を共有する「表現力」を重視します。


3つの学科で実施

人間科学部にある以下の3学科すべてで実施されています。

  • 人間環境科学科:環境と人間の共生を科学する
  • 健康福祉科学科:健やかな社会システムを創造する
  • 人間情報科学科:情報技術と人間の関わりを分析する

全学科「人間とは何か」という問いに対し、文理融合の視点からアプローチする学びを掲げているのが特徴です。


人間環境科学科では環境と人間の共生を、健康福祉科学科では健やかな社会システムをテーマに学びます。FACT選抜では、各学科の専門領域にまたがる広範な社会問題に対し、問題意識を持って取り組む姿勢が評価されます。


学科によって志望理由の書き方や面接での問われ方も変わります。自分の将来像とリンクする学科を選ぶことが、選考突破の第一歩といえます。 


各学科のカリキュラムや研究室の情報を精査し、自分が興味・関心を持てる分野を見極めましょう。



出願資格


FACT選抜には、主に国内の高校生を対象とした【出願資格A】と海外就学経験を持つ生徒を対象とした【出願資格B】があります。


【出願資格A】国内生向け


  • 評定3.9以上、理科及び国語の評定平均が4.1以上
  • 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学Bをすべて履修している
  • 欠席日数が40日以内
  • 以下のいずれかに該当する者
    • 国際バカロレア資格を取得見込みの者
    • 外国語検定のスコア提出できる者

【出願資格B】帰国生向け

  • 以下のいずれかに該当するもの
  • TOEFL iBT 72以上
  • TOEIC L&R / TOEIC S&Wのスコアが1560点以上
  • 国際バカロレア資格を取得見込みの者
  • 物理・化学・生物・地学等の理科に関する科目のの成績が著しく優秀であったことが示される者


参考:入学試験情報  –  早稲田大学 人間科学部


国語や理科の評定基準に加え、数学1・数学2・数学A・数学Bの履修が必須となっている点も、人間科学部の特徴です。英語外部試験のスコア提出や、欠席日数が40日以内であることなどの条件もクリアしなければなりません。


自分の通知表と照らし合わせ、全ての出願条件を満たしているか、募集要項をチェックすることから始めましょう。


募集人員


募集人員は若干名とされていますが、2026年度入試では合格者が28名に達しました。


入試年度

募集人員

志願者

合格者

2025年度

若干名

46名

28名

2024年度

若干名

23名

19名

2023年度

若干名

14名

10名


数字だけを見ると狭き門のように感じてしまうかもしれません。しかし、実際の合格者数は年々増加傾向にあるため、チャンスは十分に広がっているといえます。


直近の2025年度入試では、学部全体で28名の合格者が出ています。「誰でも受かる」ということではなく、大学が求めるレベルに達した受験生を積極的に受け入れている結果だといえます。


過去の入試結果データを参考にしつつ、自分が合格圏内に入るための戦略を立てて対策を進めていきましょう。




試験日程

早稲田大学のFACT選抜は、9月の初旬に出願が開始され、11月には最終合格が発表されます。 


2025年度は下記のスケジュールで実施されました。

出願期間

2025年9月1日(月)~9月8日(月)

1次選考合格者発表日

2025年9月26日(金)

2次選考日

2025年10月11日(土)

最終合格者発表日

2025年11月1日(土)


※年度によって異なる場合があります。最新情報は必ず大学公式サイトをご確認ください。


9月に書類を提出した後、1ヶ月後には2次試験の本番がやってくるスケジュールとなっています。 短い期間で、志望理由書の肉付けから論述試験対策、面接練習までをこなさなければならないため、夏休み前からの前倒し対策が欠かせません。


カレンダーに重要な期日を書き込み、逆算して「今何をすべきか」を明確にすることが合格への近道です。 公式サイトで最新の入試日程を確認しましょう。



早稲田FACT選抜の試験内容


ここからは早稲田大学FACT選抜の試験内容を3つの段階に分けて解説します。


  • 書類審査
  • 記述試験
  • 面接試験


書類審査

早稲田大学FACT選抜の第1関門は、書類審査です。調査書や志望理由書、事前課題など多岐にわたる書類の提出が求められます。 書類は事務手続きではなく、2次選考で行われる面接試験の重要な基礎資料となります。


【出願に必要な主な書類】

  • 調査書(または成績証明書)
  • 外国語資格・検定試験の合格証明書
  • 入学志願票
  • 志望理由書
  • 事前課題


募集要項を再度読み込み、自分に必要な書類のリストアップと作成スケジュールの立案を行いましょう。

参考:2026 年度早稲田大学人間科学部 FACT 選抜 出願書類チェックリスト


調査書もしくは成績を証明する書類

早稲田大学FACT選抜では、出願区分によって提出物が異なります。【出願資格A】では出身高校が発行する厳封された「調査書」が、【出願資格B】では「成績を証明する書類」の提出が求められます。


国内生向けの区分では、高い評定平均が出願の前提条件です。1次審査を突破するための重要な指標となります。欠席日数のカウントや履修科目の漏れがないかも、大学側から確認されます。


書類の取り寄せには時間がかかる場合もあるため、余裕を持って準備を進める必要があります。学校の先生に、出願に必要な調査書の発行を早めに依頼することから始めましょう。


外国資格・検定試験の合格証明書

早稲田大学FACT選抜では、次のいずれかの外国語試験スコアの提出が必要です。出願区分により指定の試験が異なる場合があるため、自身の区分に該当する試験を必ず確認してから提出してください。


TOEIC® Listening & Reading Test

TOEFL iBT®

IELTS(Academic Module)

GTEC(Advanced/CBT)

TEAP(技能パターンは問わない)

実用英語技能検定試験(英検)

ドイツ語技能検定試験

ゲーテ・ドイツ語検定試験

実用フランス語検定試験

DELF/DALF(フランス国民教育省認定フランス語資格試験)

実用中国語検定試験

HSK(中国語検定)

スペイン語技能検定

DELE(スペイン語検定試験)


取得した最高スコアが、出願期間内に有効かどうかを確認しましょう。 まだスコアが不足している場合は、出願に間に合う最新の試験日程を確認し、目標スコアの取得を目指します。


入学志願票

入学志願票は、Web出願システムから入力・印刷し、写真を貼付して提出する基本書類です。本人情報や志望学科の最終確認として使用されます。


データ登録の確認書類と考えがちですが、本人の情報や志望学科に間違いがないかを最終確認する書類です。 特に志望学科や志願部門の選択ミスは、後の選考に致命的な影響を及ぼす可能性があるため、細心の注意を払いましょう。


貼付する写真は試験当日の本人確認にも使用されます。指定されたサイズや撮影時期を守り、誠実な印象を与えるものを用意しましょう。 


志望理由書

志望理由書では、1,200字以上1,500字で作成し以下の3つの要素を交える必要があります。


  • なぜその学部を志望したのか
  • 人間科学部で何をしたいか
  • 将来の抱負


また、自分の言葉で人間科学部への強い熱意と将来性をアピールする必要があります。

参考:2026 年度早稲田大学人間科学部 FACT 選抜 出願書類チェックリスト


過去の実績を羅列するのではなく、経験がどう将来に繋がっているのか、一貫性を持たせることがポイントです。 読み手に「この学生と一緒に研究をしたい」と思わせるような、独自性と説得力のある記述を意識しましょう。


文章の完成度を高めるためには、推敲を重ね、第三者に客観的なアドバイスをもらうことが効果的です。 まずは要素を箇条書きで整理し、論理の骨組みを作るところから執筆に踏み出しましょう。


事前課題

事前課題では、自分自身で課題を見つけ、その課題を解決する力が求められます。特に近年では、身近な社会問題から国際問題まで幅広い分野のテーマが出題されているため、常に社会情勢を把握しておくことが鍵になってきます。過去の課題を活用し、対策することをおすすめします。


過去の出題テーマを参考にしつつ、普段からニュースや学術論文に触れ、批判的な思考を養いましょう。


早い段階から問題意識を持ち、根拠となる資料を集めておくことが、質の高いレポート作成への近道です。 過去の課題を実際に解いてみることで、求められる思考のレベルを体感し、自分の考えを整理する習慣をつけましょう。


論述試験

2次選考で実施される論述試験は、FACT選抜において受験生の「地力」が試される試験です。


論述試験では、自分の考えを論理的に文章化していく能力が求められます。そのため、論理を組み立てる基礎知識や文章力を身につけることが必要になってきます。


試験時間

120分

出題内容

数量的なデータを含む資料を読み解き、分析した上で自らの考えを論理的に記述

評価点

情報分析能力、論理的思考力、表現力が問われる


試験時間は120分と長めに設定されています。しかし、高い精度の分析と論理構築を求められるため、決して時間に余裕があるわけではありません。


 日頃から社会問題に対するデータに基づいた考察を行う癖をつけ、制限時間内に論理的に文章化する練習を繰り返しましょう。


面接試験

面接試験では受験生の考えや人間性が重視されます。そのため、学部ごとの専門的知識や表現能力を養い、何度も面接練習を行うことが大切です。


試験時間

120分

出題内容

志望理由書や調査書など、提出書類の内容にもとづいて質問される

評価点

人間科学部への適性、学習意欲、将来性などが総合的に判断される


また、学部の掲げる「7領域17項目」や「CLEAR」の理念を理解し、自身の将来ビジョンに適合させる必要があります。


早稲田FACT選抜における倍率・難易度



早稲田大学・FACT選抜の倍率は、1倍台から2倍台で推移しています。 「難易度が低い」ことを意味するのではありません。高い評定平均や卓越した思考力を持つ受験生同士の、ハイレベルな争いであると理解すべきだといえます。


入試方式

2025年倍率

2024年倍率

2023年倍率

FACT入試

1.6倍

1.2倍

1.4倍

一般選抜

4.5倍

5.6倍

5.9倍


倍率の数字だけに一喜一憂するのではなく、求められる高い選考基準をいかにクリアするかに注力しましょう。


早稲田大学FACT選抜合格体験談

早稲田大学FCT選抜に合格した山田遼さん

私は高校時代、和太鼓部に所属し、その活動に力を注いできました。その活動の中で、発達障害を持つ方々と共に演奏する機会があり、彼らが演奏を通じて表情を輝かせ、集中力を高めていく姿を目の当たりにしました。この経験から、「和太鼓演奏が発達障害者の脳にどのようなポジティブな影響を与えるのか」という問いを抱き、本研究テーマに至りました。受験準備の過程では、自身の活動実績を客観的に捉え直すことから始めました。周囲の協力を得て自己分析を深めた結果、自身の短所や潜在的な長所を発見することができました。この、自分自身を深く見つめ直すプロセスこそが、受験を通じた最大の成長であると確信しています。貴学を志望した理由は、日本屈指の脳科学研究の環境がありながら、文理融合の学びを実践できるからです。私は、脳機能のメカニズムを解明する理学的アプローチに加え、発達障害者の社会進出を支えるための福祉論についても深く学びたいと考えています。本研究を通じて、発達障害者と定型発達者の相互理解を促進し、和太鼓という伝統文化を基軸とした新たな発達支援の手法を確立することで、誰もが個性を活かして活躍できる共生社会の実現に貢献したいと考えています。

引用:早稲田塾【早稲田大学 人間科学部 FACT 入試】


合格のポイントは自分の研究分野をどうやって人間科学部に結びつけるかです。なぜ人間科学部なのかを論理的に説明できる様にしておきましょう。



まとめ

本記事で紹介した早稲田大学FACT選抜は、従来の入試方式とは異なります。受験生の「分析力」「論理力」「表現力」を多角的に評価する選抜方式です。合格には下記の能力が求められます。

  • 高い平均評定
  • 英語スコア
  • 論理的思考力
  • 探究心

「なぜ人間科学部でなければならないのか」という問いに対し、自身の経験と学部の理念(7領域17項目やCLEAR)を深く結びつけることが大切です。

近年は志願者数が増加し、倍率も上昇傾向にあります。書類審査から2次選考の論述・面接試験まで、一貫性のあるストーリーを持って対策を進めることで合格を自分の手で勝ち取りましょう。