青山学院大学で実施されている総合型選抜(自己推薦・キリスト教信徒・スポーツ・理工系特別入試)を徹底解説します。各学部の倍率推移・アドミッションポリシー・選考方法から、合格者の志望理由書サンプル・合格者インタビューまで、合格に必要な情報を網羅しています。

「青山学院大学の総合型選抜って、どの学部で受けられるの?」

「自己推薦とキリスト教信徒入試の違いがわからない…」

「自分の実績で合格できるレベルなのか知りたい」

本記事では、青山学院大学の総合型選抜を俯瞰し、各学部の倍率・選考方法・対策ポイントを整理します。実際の合格者の志望理由書サンプルと合格者インタビューも掲載しています。

この記事の要約

  • 青山学院大学の総合型選抜は「自己推薦」「キリスト教信徒」「スポーツに優れた者」「理工学部特別」の4系統
  • 建学の精神「地の塩、世の光」とサーバント・リーダー育成の理念を理解することが合格の鍵
  • 英検準1級相当以上の英語外部検定スコアが多くの学部で重視される
  • 地球社会共生学部・コミュニティ人間科学部は自己推薦の合格チャンスが比較的大きい
  • 2026年度合格者の志望理由書サンプル+合格者インタビューを掲載

目次

  1. ステップ1:青山学院大学 総合型選抜の全体像を理解する
  2. ステップ2:各入試方式の倍率推移とアドミッションポリシーを比較する
  3. ステップ3:志望理由書を書くためにポートフォリオを整理する
  4. ステップ4:二次選考(小論文・面接)を突破する
  5. 合格者の声
  6. まとめ
  7. よくある質問(FAQ)

ステップ1:青山学院大学 総合型選抜の全体像を理解する

青山学院大学の総合型選抜は、建学の精神「地の塩、世の光」とスクール・モットー「地の塩、世の光」に基づき、キリスト教信仰に基づく人間観と世界観を養い、神と人とに仕える「サーバント・リーダー」となる学生を選抜する入試です。一般選抜では測れない主体性・協働性・表現力を備えた学生を積極的に受け入れる制度として設計されています。

入試方式と実施学部一覧

青山学院大学では学部ごとに以下4系統の総合型選抜が実施されています。

入試方式

実施学部(主なもの)

主な選考内容

自己推薦入学者選抜

文学部英米文学科・地球社会共生学部・コミュニティ人間科学部 ほか

書類+小論文+面接

キリスト教信徒入学者選抜

全学部(募集あり学部)

書類+小論文+面接(教会の推薦書必須)

スポーツに優れた者の入学者選抜

法学部・経営学部・国際政治経済学部 ほか

書類+競技実績+面接

理工学部 特別入学者選抜

理工学部全学科

書類+学科課題+面接

全学部共通の特徴として、第一に志望理由書(自己推薦書)が合否の大部分を左右します。

「なぜ青山学院なのか」「学部で何を学びたいか」「卒業後どう社会に貢献するか」を、建学の精神に照らして論理的に示すことが求められます。第二に、英語外部検定スコア(英検準1級・TOEFL iBT 72以上等)が出願資格や加点要素として重視される学部が多く、早期のスコア確保が不可欠です。第三に、面接では書類の内容を深掘りされるため、志望理由書の一文一文を「自分の言葉で説明できる状態」にしておく必要があります。

ステップ2:各入試方式の倍率推移とアドミッションポリシーを比較する

地球社会共生学部|自己推薦入学者選抜

地球社会共生学部は、グローバル化する社会の課題を、現場での学びとアジア諸国への半年間の留学を通して解決できる人材を育成する学部です。自己推薦入試では、社会課題への問題意識と現場での行動経験が特に重視されます。

年度

募集人員

志願者数

合格者数

実質倍率

2025年度

45名

約140名

約55名

約2.5倍

2024年度

45名

約135名

約58名

約2.3倍

2023年度

45名

約128名

約52名

約2.5倍

倍率は2〜3倍台と、青山学院の総合型選抜の中では比較的狙いやすい方式です。東南アジア・地域課題・ソーシャルビジネスに関する探究経験が強い評価対象になります。

文学部英米文学科|自己推薦入学者選抜

英米文学科の自己推薦は英検準1級以上が事実上の出願要件となり、英語運用能力と文学・言語学・英語教育への学問的関心の両方が問われます。

年度

募集人員

志願者数

合格者数

実質倍率

2025年度

10名

約58名

約15名

約3.8倍

2024年度

10名

約62名

約15名

約4.1倍

2023年度

10名

約53名

約15名

約3.5倍

コミュニティ人間科学部|自己推薦入学者選抜

地域社会における「子ども・若者」「女性」「成人」「高齢者」の4領域を軸に、地域貢献できる人材を育成します。

年度

募集人員

志願者数

合格者数

実質倍率

2025年度

18名

約70名

約25名

約2.8倍

2024年度

18名

約72名

約24名

約3.0倍

2023年度

18名

約65名

約24名

約2.7倍

理工学部|特別入学者選抜

物理・数理サイエンス学科、化学・生命科学科、電気電子工学科、機械創造工学科、経営システム工学科、情報テクノロジー学科の各学科で実施。数学・理科の学力に加え、学科ごとの専門課題(レポート・実験・プレゼン)が課されます。

学科

2025年度倍率

2024年度倍率

2023年度倍率

物理・数理サイエンス学科

約1.8倍

約1.6倍

約1.5倍

化学・生命科学科

約2.3倍

約2.5倍

約2.1倍

電気電子工学科

約2.0倍

約1.9倍

約1.8倍

機械創造工学科

約2.4倍

約2.2倍

約2.0倍

経営システム工学科

約3.5倍

約3.2倍

約3.0倍

情報テクノロジー学科

約3.3倍

約3.0倍

約2.8倍

キリスト教信徒入学者選抜

出願には所属教会の牧師の推薦書が必須で、受洗後1年以上経過していることが条件です。

年度

志願者数

合格者数

実質倍率

2025年度

約95名

約40名

約2.4倍

2024年度

約88名

約42名

約2.1倍

2023年度

約92名

約38名

約2.4倍


スポーツに優れた者の入学者選抜

全国大会出場レベル以上の競技実績が出願要件。書類・競技実績・面接で選考されます。

年度

募集人員

志願者数

合格者数

実質倍率

2025年度

約55名

約90名

約60名

約1.5倍

2024年度

約55名

約85名

約58名

約1.5倍

2023年度

約55名

約80名

約62名

約1.3倍

ステップ3:志望理由書を書くためにポートフォリオを整理する

実績の「凄さ」よりも、それをどう学問への問いに接続したかが重要です。

合格者のポートフォリオ例

例1:放置竹林・ソーシャルビジネス型(2025年度合格/地球社会共生学部)

高校で「ファンケル神奈川SDGs講座」に参加し、社会環境問題とビジネスの接続に関心を持つ。NPO法人と連携し埼玉県本庄市の放置竹林での伐採体験を実施。SWOT分析を用いて「竹ツーリズム」を提案し、地方創生とストレス社会の課題を同時に解決するソーシャルビジネスの構想を志望理由書に接続した。

例2:ムスリマ・ファッション共生型(2022年度合格/地球社会共生学部)

日本で暮らすイスラム教徒女性(ムスリマ)との出会いをきっかけに、宗教的服装への偏見解消を志す。宗教社会学・感性ビジネスの講義を志望理由書で具体的に指定し、ファッションブランド立ち上げによるマイノリティ共生社会の構築を将来ビジョンとして提示した。

例3:こども食堂・地域コミュニティ型(2025年度合格/コミュニティ人間科学部)

幼馴染の死と妹の不登校を原体験とし、地域における子どもの「居場所」作りを研究テーマに設定。高校2年生で個人事業を立ち上げ、市内100件近くのこども食堂と協力して親子160名以上のワークショップを開催。テレビ・ラジオ取材を受けた実行力が評価された。

2025年度合格者 志望理由書サンプル(地球社会共生学部/自己推薦入学者選抜)

個人情報に関わる箇所は【非公開】として掲載しています。

将来私は、社会起業家として、フィリピンの農村部に富を公平に分配できる観光事業を立ち上げることで、農村部と都市部の地域格差是正に貢献したい。

上記の目標を持った契機は、小学4年時にフィリピンに渡航した際、路上での生活を余儀なくされている子どもたちを目の当たりにし、衝撃を受けたことだ。そこには、学校にも行けず、家計のために労働を強いられ、まともな生活ができずに苦しんでいる子どもたちの光景が広がっていた。なぜ私と同世代のフィリピンの子どもたちとの間に、これほどまでに差があるのだろうか。様々な思案を重ねる内に、私は「彼らのためにも格差を無くしたい」という想いに至った。

中学2年生の時に、発展途上国の「貧困」問題について言及した作文を書き、小中計600人の中から選ばれ、実際に【市区町村名非公開】の文化体育館にて発表する機会を得た。そこで、フィリピン人の友人から耳にしたフィリピン農村部での貧困の現状を多くの人に伝えられた。自分自身が目の当たりにした課題をより深く探究し、多くの人に訴えることが大事だと考え始めた。高校生になった今でもフィリピンに対する想いは変わらず、活動を積み重ねてきた結果、現在はフィリピンの格差是正を目指す起業家になりたいと強く願うようになった。目標達成のため、高校3年間継続して探究を行ってきた。

高校の探究活動の授業を活用して書物を複数冊精読したことで、フィリピンでは都市部に富が集中し、農村部にそれらが公平に分配されていないという課題を発見した。現状把握と解決策の模索のため、貧困に陥っている子どもたちの支援を行っている【団体名非公開】の職員の方に取材したところ、本当に支援が必要な層に富を分配する公平な仕組みづくりや都市部と農村部をつなぐインフラ整備が重要だということを知った。これらを踏まえた上で、フィリピンを活性化する策の創出のため、私は「ディスカッションイベント【イベント名非公開】」を主催した。学生らと議論したことで、農村部の豊かな観光資源を活用して6次産業化を促進することに加え、フィリピン現地でしか味わえない体験型サービスなどの、農村部に観光客が訪れたくなる要素を観光ツアーに組み込むことが重要だと気づいた。その際、官民連携に重きをおき、行政と連携して交通網の整備を進めることの必要性も認識した。これらの解決策をビジネスにすることで、フィリピン全体が持続的に繁栄できると考えた。

しかし、これまで獲得してきた知識だけではフィリピンの地域格差を是正することは困難だと自覚している。目標達成には、今日まで構想してきた解決策のブラッシュアップを貴学で実行し、さらに改善を重ねる必要がある。

貴学入学後は、第一に、松永エリック・匡史教授のもとで国際経営戦略論を学び、世界のビジネスリーダーになるために必要な基礎を築きたい。第二に、桑島京子教授のもとで地域開発論を学ぶことで、アジア諸国の国際開発の取り組みについての理解を深める。第三に、留学プログラムを利用してタイのタマサート大学へ渡り、開発経済学とアジアの地域研究に取り組むことで、ローカルな視点から発展途上国の経済問題を深く理解し、貧困を解決する方策を模索したい。加えて、貴学の国際色豊かな環境で常に英語で思考することで、実践的な英語運用力を獲得したい。

学際的に学ぶことに重きを置くGSC(地球社会共生学部)は、日本に留まらず国際社会で活躍できる人材の育成を志す青山学院大学の姿勢が見受けられる。「地の塩、世の光」という理念を掲げる貴学で学びを深めることで、共生マインドとキリスト教の精神を兼ね備えたサーバント・リーダーを目指せると確信している。

ゆえに、地球社会共生学部への入学を熱望する。

ステップ4:二次選考(小論文・面接)を突破する

二次選考では小論文と面接が課されます。評価される3つのポイントは、

論理的思考力(社会課題を多角的に分析できるか)

書類との一貫性(志望理由書と面接回答が矛盾なくつながるか)

主体性と行動力(「地の塩、世の光」を体現する具体的エピソードを語れるか)です。

二次選考前には、志望理由書を声に出して読み直し、関心テーマの最新論文・統計・ニュースを把握し、模擬面接を最低3回実施してください。小論文の過去問を時間どおりに解く練習も不可欠です。

合格者の声

合格者インタビュー(2025年度合格・地球社会共生学部)一部抜粋・割愛

https://rizapuro.co.jp/interview/qyw8t_2iem

——フィリピンというテーマを選んだきっかけは?

小学4年生の時に現地を訪れ、路上で生活する子どもたちを目の当たりにしたことです。「なぜこれほどの差があるのか」という疑問が出発点でした。

——探究活動で最も苦労したことは?

課題の設定と解決策の具体化です。観光事業という切り口は取材を重ねる中で見えてきました。

——受験生へのアドバイスをお願いします。

「体験を探究に変える力」が評価されます。ただ経験したことを書くだけでなく、そこから発見した課題と解決策まで一本線でつなぐことが大切です。


【志望理由書で押し出した「強み」分析】

この志望理由書は、小学4年生の現地体験から出発し、作文発表・現地取材・探究活動という3年間の積み重ねを経て、「観光×格差是正」という独自の解決策に到達する構成が際立っています。

  • 強み①:「600人の中から選ばれた作文発表」という客観的実績が、問題意識の本気度を証明した。
  • 強み②:「観光事業で農村部に富を分配する」という独自の起業家的解決策を打ち出した。
  • 強み③:小4・中2・高校と複数回のフィールドワーク経験が、長期的な問題意識の一貫性を示した。

個人的な原体験から長期的に探究を続け、社会起業家という具体的な将来像と学部の学びを接続した点が合格の核心でした。


まとめ

青山学院大学の総合型選抜は、「地の塩、世の光」を建学の精神とし、サーバント・リーダーとして社会に貢献する学生を求める入試です。自己推薦・キリスト教信徒・スポーツ・理工特別の4系統の中から、自分の強みに合った方式を選択してください。地球社会共生学部やコミュニティ人間科学部のように倍率2〜3倍台で比較的狙いやすい方式もあります。各学部のアドミッションポリシーを隅々まで読み込み、学部の求める人物像と自分の強みが重なる部分を見つけることが合格への第一歩です。

青山学院大学 総合型選抜 よくある質問(FAQ)

Q1. 青山学院大学の総合型選抜は専願制ですか?

ほとんどの方式で他大学との併願が可能です。ただし学部・方式によって制約がある場合があるため、必ず入試要項で確認してください。

Q2. 英語の資格スコアはどのくらい必要ですか?

学部により異なります。文学部英米文学科・国際政治経済学部では英検準1級相当以上が事実上の目安です。地球社会共生学部・コミュニティ人間科学部では英語スコアは加点要素の位置づけで、必須ではありません。

Q3. 評定平均が足りなくても受験できますか?

自己推薦入試は多くの学部で評定平均3.5〜4.0以上が要件です。キリスト教信徒入試では評定要件が緩和される場合があります。必ず各学部の入試要項を確認してください。

Q4. キリスト教信徒でなくても受験できますか?

「キリスト教信徒入学者選抜」は所属教会の推薦書が必須のため信徒のみが対象です。ただし自己推薦入試などは信徒でなくても受験可能で、むしろそちらが主流です。

Q5. 一般入試との併願は可能ですか?

可能です。総合型選抜は専願制ではないため、同じ学部の一般選抜や他学部・他大学との併願が認められています。

Q6. 地方在住者は不利ですか?

不利ではありません。地方独自の活動実績(地域課題解決・農業・伝統文化など)は独自性として強みになります。本記事で紹介した合格者も地方の家業を学問の問いに接続した志望理由書で合格を勝ち取っています。